高崎翔太・後藤大・宮城紘大(青年/いちごの王様)インタビュー|Sanrio Kawaii ミュージカル『From Hello Kitty』インタビュー連載企画第1弾!

サンリオの人気キャラクターが登場するSanrio Kawaii ミュージカル『From Hello Kitty』が、IHIステージアラウンド東京で上演される。サンリオの60年間を振り返り、キャラクター誕生秘話などが描かれていくストーリーで、人気俳優らとキャラクターたちが、サンリオの大切にしている想いをミュージカルに乗せて伝えていく。

トリプルキャストでいちごの王さまを演じることになった高崎翔太、後藤大、宮城紘大の3人に、開幕を前にした想いを語ってもらった。

 

――出演が決まった時は、どんな気持ちでしたか?

高崎 スタッフやキャストのみなさんの豪華さ、キャラクターたちと一緒にできることをはじめ…個人的な想いとしては、演出の上島雪夫先生とご一緒できることが嬉しかったですね。10年ぶりにぐらいにご一緒させていただくので、楽しみな気持ちと、頑張らなきゃ、という気持ちが混ざっていました。

後藤 僕も、上島先生とミュージカル『テニスの王子様』ぶりにご一緒させていただくので、楽しみでした。キャストにも、以前に一緒にやったことがあるメンバーが多いので、アットホームな中で一緒にできるのがすごく嬉しかったです。あと、ステージアラウンドにも初めてなんですが、そこもまったく想像できないし、キャラクターと一緒なのも初めて。すべてがワクワクで、ドキドキでした!そんな中で、いちごの王さまという素敵な役をいただけたので、責任をもってやりたいと思いました。

宮城 やっぱり上島先生とご一緒できるのは嬉しいよね。サンリオの60周年企画という記念すべきものに出られることもありがたいし、本当にキティちゃんは世界的に人気なキャラクターですから。そんなキティちゃんの誕生の物語で、自分がいちごの王さまという役を演じられるという喜びは大きいです。僕ら役者と、キャラクターと、ダンサーさんという、ここまで大所帯でやることもサンリオではあまりなかったでしょうし、ステージアラウンドという素晴らしい劇場でできることも含めて、どんな作品になるんだろうと、自分も楽しみで仕方がありませんでした。

 

――いちごの王さまという役どころを、どのように捉えていますか?

宮城 たくさんのキャラクターたちや、なかよく・おもいやり・かわいいという三者三様のハーツたちなどが登場しますが、その生みの親と言いますか…かわいいものを生み出した親という立ち位置です。なので、とにかくかわいくて素敵なストロベリーフィールドの王様であることを意識してやっています。王様にもいろいろなイメージがあると思いますが、いちごの王さまとはこうだ、というのをいろいろ考えたり相談したりして出来上がっています。

後藤 紘大くんが言ってくれたように、やっぱりいちごの王さまというのは、他の王さまとはちょっと違う。あったかくて、カラフルで、何と言うか根本がすごい。王さまだけど、別に大人ではなくて、むしろ誰よりも子どもの心で見ていて、子どもと同じ目線でみんなを守っている。目線を合わせてみんなで手をつないでいる。そういう、優しくてあったかい王さまですね。

高崎 僕らは、いちごの王さまでもあり、サンリオを作った青年でもあるんです。かわいいデザインをプレゼントして、世界中でなかよくするんだ、あったかい気持ちをつないでいこうよ、と思い、自分もキャラクターになることで、自分の想いをキャラクターの言葉として世界に発信しようとしているんです。そうやって生まれたのが、いちごの王さまです。だから、みんなとなかよくする思いやりとか、かわいい気持ちを持ち合わせたキャラクターなんです。自分が目指そうとした目標を具現化した、きれいな存在でいいのかな、と思っています。

後藤 王さまには、相手のことを想って投げかけるセリフがたくさんあって、その一言一言があたりまえのようで、忘れてしまっているようなことを思い出させてくれるんです。それはお客さんにも伝えたいことだと思うし、そういうあったかさがセリフにも見え隠れしているんですよね。そういうところがすごく好きです。みんなに思いやりとやさしさを持っていないと言えないセリフなので、自分自身を見つめなおすきっかけにもなりました。僕自身がそう思っていないと、言えないセリフですから。

宮城 子どものころの純粋な気持ちって、ものすごくキラキラしていて、かわいらしくて。大人になった今は、それを恥ずかしいと思ったり、どう思われるんだろうって感じたりしてしまう。素直に吐き出せなくなるんですね。でも、この作品に出てくる登場人物たちや、いちごの王さまは「この輝きは決して消えない」って堂々と言えるんです。それを堂々と言える人間って、すごく素敵で、大好きです。

高崎 僕はちょっと弱いところを深堀りするのが好きで…途中、すごく落ち込んでしまう場面があるんですけど、そんな時に自分がつくったキャラクターのキティちゃんの言葉に救われるんです。そこが、すごく人間味を帯びていると思っていて、とても楽しいギフトパレードショーのような作品なんですけど、そういう深みもあるところも好きですね。その場面で、キティちゃんのことも好きになっちゃう(笑)。すごく芯の強い女の子なんだなって思いますね。

 

――そのほかにも作中で注目してほしいポイントはありますか?

高崎 僕は、闇の女王の登場シーンからの一連の流れですね。

後藤 あそこ、カッコいいよね!

宮城 劇場の特徴を上手く使っていて、すごくカッコいいんですよ。

高崎 ステージアラウンドという劇場ならではの演出で、座席も追いかけるんで、僕らの方にずっと迫ってくる様子を見続けることができるんですよ。普通なら、例えば上手から下手にハケてしまうような場面を、ずーっと途切れずに見届けられるんです。あそこの明かりもそうだし、女王たち、ダンサーたち、座席の形…そのすべてがあいまって、すごくカッコイイ。ほかにも素敵なシーンがいっぱいありますが、一番に浮かんだのはこのシーンですね。初めて観た時はトリハダが経ちました。

後藤 僕はお芝居にも注目してほしいし、歌のナンバーパートもずっとキラキラしているんですよ!ファンの方たちにとっては、サンリオピューロランドでずっとご覧になっていたものだと思うし、そこに僕たちもいるのですごくテンションが上がります。

宮城 2幕の冒頭に「KAWAII FESTIVAL」という曲があるんですけど、そこはキャラクターと一緒に踊るんです。サンリオピューロランドが好きで、この楽曲が大好きという方もたくさんいらっしゃるので、多分みなさんめちゃくちゃ喜んでもらえるんじゃないかと思っています。一緒にやりたくなる場面だと思いますよ。

 

――稽古はどんな雰囲気ですか?

高崎 一番ほかとの違いを感じたのは、トリプルキャストということですね。あと、けっこうお芝居や歌のパートをすごく丁寧に丁寧に重ねている感じです。トリプルなので、順番にやってダメ出しを貰って、次で直してまたダメ出しを貰って、そこをさらに次の人が直して…って、3人で共有する感じでした。

宮城 そう。みんなで役を作っていった感覚だったね。

後藤 1人が変えると、みんな変えなきゃいけないので、自分が自分が、っていうスタイルではない感じでした。あとダンサーさんが本当にすごい。

高崎 稽古場でダンサーさんのダンスを観た時、普通に感動しちゃったもんね。

宮城 先に練習に入られていたそうで、稽古初日から出来上がっていて、本当にすごかった。ストイックなんですよね。

後藤 本当にサンリオが好きなんだな、って感じたし、それよりも僕がサンリオをもっと好きになろうって刺激になりました。

高崎 だからこそ…失敗したくない(笑)。

後藤・宮城 それ、すごいわかる!!

高崎 そういう素晴らしいものを邪魔したくないじゃないですか。キャラクターたちが主役なので、それを邪魔したくない。自分のエゴで崩したくないですから。でも、僕のファンの人にも楽しんでほしいし、「翔太くんのお芝居を見に来てよかった」と確実に思ってもらえるようにしているけど…失敗したくない(笑)

宮城 キャラクターの隣に立っている自分が、パーフェクトじゃないとね。

 

――素晴らしい世界観だからこそ、しっかり丁寧に稽古しているんですね。大変な毎日かと思いますが、そんな自分にエネルギーをくれるものはなんですか?

高崎 それはもう、キャラクターたちですよ!僕らだけの特権があるんです。袖でキティちゃんと一緒になるところがあって、僕が肩で息をゼエゼエしていると、キティちゃんが近づいてきて“ガンバって!”って励ましてくれたりするんです。もう、癒されましたね…。

後藤 あとは楽曲ですね。曲がかわいいから、何回聴いても飽きない。やっぱり、どうしても何回も同じ曲を練習するので、聴きたくなくなることもあるんですよ。でも、サンリオミュージカルの曲はぜんぜんそうならない。

宮城 キティちゃんの声が癒しになるよね…。本当にエネルギーになります!

 

――稽古のなかのちょっとした時間がパワーに繋がっているんですね。最後に、公演を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします!

高崎 重い話では全然ないんですけど、戦争を経験してかわいいものでなかよくしようという想いで作った世界観なので…今、大変な思いしていらっしゃる方はたくさんいると思いますが、ちょっと心救われる作品なんじゃないかな。

後藤 本当に何回でも楽しめる作品だと思います。サンリオが生まれた理由って、サンリオピューロランドの中でもあんまりやってきていないと思うんですよ。サンリオが伝えたかったこと、3つの大切なハートのことなどを、子どもにもわかりやすく、大人にも改めて伝えたい内容が凝縮されています。サンリオが好きな方はもちろん、誘われてきた初めての方も楽しんでもらえるはず。

宮城 前向きになれる言葉や楽曲がたくさんあるので、明日から頑張れる力を与えられると思っています。本当に子どもにもどったような気持ちで、恥ずかしさとかも全部捨てて、全力で楽しんでいただければと思います!

 

取材・文:宮崎新之

 

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