橋本汰斗・皆木一舞(なかよくハート)インタビュー|Sanrio Kawaii ミュージカル『From Hello Kitty』インタビュー連載企画第2弾!

サンリオの人気キャラクターが登場するSanrio Kawaii ミュージカル『From Hello Kitty』が、IHIステージアラウンド東京で上演される。サンリオの60年間を振り返り、キャラクター誕生秘話などが描かれていくストーリーで、人気俳優らとキャラクターたちが、サンリオの大切にしている想いをミュージカルに乗せて伝えていく。

ダブルキャストでなかよくハートを演じることになった橋本汰斗、皆木一舞の2人に、開幕を前にした想いを語ってもらった。

 

――サンリオのミュージカルに出演できると聞いて、まずどんなことを思いましたか?

橋本 昔から馴染みのある、キャラクターだったので、どんなふうになるんだろうという気持ちと、俳優として初めての経験でどんなふうにコミュニケーションを取ったらいいんだろうという感じでした。未知数なことばかりでワクワクしましたね。

皆木 僕は小さいころ、サンリオのシンカンセンのキャラクターのメモ帳を持っていたり、キティちゃんのコップをお気に入りで使っていたりしたので、お話をいただいたときは驚きましたし、嬉しかったです。そんなキャラクターと共演できるなんて、不思議な感覚になりました。

 

――今回は“なかよくハート”という役のダブルキャストとなります。こちらはどんな役なんでしょうか?

橋本 サンリオが掲げている大切なハートが形になったもののひとつで、ほんとうに名前の通り。みんななかよく、楽しく、手を取り合っていこうよ!というキャラクターです。

皆木 汰斗くんが言ってくれた通り、サンリオの三本柱のうちのひとつ“なかよく”を擬人化した感じですね。サンリオピューロランドにもみんなで一緒に行ったりしたんですが、普通のナチュラルなお芝居というよりは、ショー寄りのお芝居。“なかよく”を凝縮したようなものになっています。

橋本 やっぱり普通の演技とは全然違って、キャラクターとしては一応“人”として出ているんですけど、キティちゃんの隣とかにいても違和感が無くなるようなキャラクターじゃなければならない。セリフの言い回しとかも誇張していたりするので、本当にサンリオピューロランドのような空気感。自分が普段やっていることとは全然違っていて、ハッピーな動きを目指しました。手を広げてクルクルと回ったり、普段はしないような動きを結構しています。

皆木 ダブルキャストなので、自分が出ていない時に汰斗くんがやっている動きを見ていっぱい学ばせてもらってます。

橋本 俺も俺も!一舞ちゃんの動きを見て参考にしてる!やっぱり自分の役の動きを俯瞰的にみる機会ってなかったので、こういうふうに見えてるんだってよく分かったりするんです。なのでお互いの稽古を見合って、高めていってますね。

 

――ご自身のキャラクターの好きなところは?

皆木 自分自身としては、どちらかというと普段はちょっと1歩引いて物事をみちゃうタイプなんですけど、なかよくハートはみんなでなかよくしたりコミュニケーションを取ったりする役。役を通して稽古場に入ることで、自分の新しい一面を発見できたような気がしますね。ほかの人のいいところにいっぱい気付けるようになったり、なかよくハートに助けられたような感覚なんです。そこは普段の自分にも取り入れていきたいですね。そうするとハッピーになれそう、前向きになれそうな気がします。

橋本 やっぱり、普段やっていることとはちょっと違うキャラクターで、自分の中にあるちょっとした常識のようなものを壊さないといけない。ちょっと、1個だけ頭のネジを飛ばすんです。以前にも、そういう感じでネジを飛ばすような役があったんですけど、この感覚もすごく大事で、忘れていた感覚だったなと思いました。普段のリミッターの外し方とは全然違う。いつもは足し算しまくってから引き算していくのが自分のスタイルで、リミッターを外すのは同じなんですけど…外す方向性が違うというか…。

皆木 なかよくハートのことだけじゃないけれど、サンリオって非日常なのに本当にリアルにあるんじゃないかと思ってしまうような不思議なところがあるんです。そこがサンリオの魅力的なところだとやっていて思います。童心に帰って小さい頃のことを思い出すような、何にでもなれたようなあの感覚になれるんですよね。

 

――稽古の手ごたえはいかがですか?

橋本 振付とかも、今までやったことないようなかわいい振付なんです。普段、僕はダンスをやっていて、それはヒップホップ、ストリート系のダンスが得意なんですけど、それとは手の動かし方、指先の表情までまったく違うんです。やっぱり、いつものままだと、自分のシルエットがかわいくならなくて、ストリートっぽくなっちゃう。そこを直すのが時間がかかったかな。自分が踊っていない余白の場所というか、ポジションから次のポジションへ移動するときも、役の動きを取り入れたりして、全体の流れがかわいく見えるように心がけています。

皆木 汰斗くんは、本当に体の表現がすごく上手なんです。僕はストリートダンスとかの素養は無いんですが、そのストリートっぽさも“なかよくしよう”という部分ではハツラツとした雰囲気にも見えてくるんです。そういう部分を見て、いいなと思ったところは取り入れるようにしています。ダンサーさんたちもすごくエネルギッシュさや、キャラクターの仕草や動きも参考になりました。なかよくハートをやるうえで、すごく役に立ちました。本当にシンプルに、カンパニーのみなさんが良い方ばかりで、面白いし、尊敬できる人たちばかりだったので、稽古中も本当に楽しかったです。

 

――ちなみに、キャストのみなさんでサンリオピューロランドにも行かれたそうですが、いかがでしたか?

橋本 最初は、メンズ4人で行くのってハードルが高いんじゃないかと思っていたんですよ。いる人の年齢も、かわいいキャラクターが好きな女の子たちが多いので。でも入った瞬間からもう、6歳くらいの頃に戻ったような感じでした。キャラクターに会った時もすごく心が動かされたし、本当に入り込むことで気持ちの限界値まで楽しめるんだな、と思いました。最初はハードルがあるんですけど、カチューシャとかを買って身につけて、徐々に壁をぶち壊していって、気付いたら全開でした(笑)

皆木 やっぱり行くとなると、どうしても男4人だと行きづらいみたいな気持ちがあったんですけど、実際に行ってみたら全然そんなことなくて。サンリオのみんなでなかよくという信念にあふれていて、かわいいものに囲まれているんです。行く前はシナモロールが好きだったんですけど、ショーを観ていたらポチャッコ推しになっていました(笑)

橋本 俺もバッドばつ丸くんの可愛さに気付けた1日でした(笑)

 

――サンリオの魅力にどんどんハマってしまったんですね(笑)。今回のミュージカルのストーリーについては、どんなところに注目してほしいですか?

橋本 サンリオなので、やっぱりかわいいキャラクターなどに目が行きがちだと思うんです。この作品では、“キティちゃんをはじめとするキャラクターがどうやって生まれたのか”という部分が描かれていて、サンリオのキャラクターがお好きな方でもなかなか知らなかった部分なんじゃないかと思います。キャラクターが生まれてくる背景が、サンリオ創業者の戦争による悲しい体験がもとになっていて…そんな中で、こんなにキラキラしたかわいいものが生まれた。それってすごいエナジーだと思うんです。そういう部分を体感していただきたいですね。状況は違いますが、ここ最近の苦しい世の中の状況とも近いものがあるような気がしていて。この作品を通して、日々のエナジーになるものが皆さんに伝わればいいですね。せっかくの楽しめるチャンスならば、100%全力で楽しんでいただきたいです。

皆木 本当に、サンリオのキャラクターがただかわいいだけじゃなくて、本当に苦しい過程の中で、新しい希望を見出すものが生まれてきたんだと思うと、キャラクターもまた違って見える。この作品をご覧いただけたら、辛いことがあった時に、きっと思い返して元気を得られるんじゃないかと思っています。辛いことを乗り越えていく、そういう物語でもある作品なので。日常の小さな幸せにも、きっと気付くことができるようになるはず。

 

――稽古など日々お忙しいかと思いますが、そんな中でも自分のエネルギーになる時間はどのようなものですか?

橋本 僕は、自然と友達です。どんどん頭の中が煮詰まってきてパンクしそうになると、自然のある…広いところ、海とか山とかに行って、何かを…感じてます(笑)。キャンプみたいなこともしますし、ただただ散歩に行くこともあります。そこで友達としゃべったりして、ここで悩んでいるんだよねとか、うまくいかなくて…とかをしゃべっているうちに、いつの間にかスッキリしています。なんだかわからないですけど、自然にいくと回復します(笑)。一番好きなところは…選ぶのが難しいんですけど、山の上流のキレイな川です!浄化されます。

皆木 僕は、ちょっと変わってるかもしれないんですが、何かをするよりも“何もしないこと”で元気が回復しますね。日常に追われていると、やらなきゃいけないことっていっぱい出てくるじゃないですか。でも、そういう時間を忘れて、本当に何にも考えない時間をつくると、空白になった分、いろいろな発想が出てくる気がするんですよね。でも、家の中だと上手くいかなかったりするので、いつもと違う場所に行ってみたりもします。初めてのお店に行ったり、カフェに行ったり…それこそ自然に囲まれた場所に行ったり。あとは空をみたりですね。頭を落として空を逆さまに見ると、なんか足元に空があるような、自分がフワッとした感覚になって、自分の変な悩みとかが実はどうでも良かったんじゃ?って思えたりするんですよ。

橋本 逆さま、わかる!俺もやったことある!

皆木 逆さま、いいですよね。そうやって、自分の心に余裕が生まれた分、やってみたいことややりたいことが見つかったりもする。何もしないことが、リフレッシュというか、自分をリセットするスイッチになっているかもしれません。

 

――結構、何もしないって難しくないですか?

皆木 そうなんですよ!やっぱり言葉で何か考えちゃうから、頭の中に言葉が何も出てこない状態をつくるんです。本当に1分でも2分でも、そんな時間を作ると気分が全然違いますね。

橋本 俺も自然に行ったら必ず瞑想をします。20分くらい呼吸に集中して…息を吸い込むこと、吐くことだけに集中しているだけでも、かなり違いますね。

皆木 共通しているところがあるかも。僕はサウナも好きなんですけど、呼吸に集中して無心になれるというところは同じかも知れないですね。

 

――何かと忙しい現代人には、意外と“何もしないこと”が必要かもしれないですね。最後に、今回のミュージカルを楽しみにしている人にメッセージをお願いします!

橋本 登場するキャラクターが本当にかわいらしい!目が合ったりすると、絶対にアクションをくれるんですよ。ポムポムプリンくんが、演技しているときにも腕をチョンチョンってしてくれることがあって、めちゃくちゃそれがかわいくて。みんなにもそれを体感してほしいし、すごくキュンとするはず。グッズのライトを使って、めちゃくちゃ応援してほしいです!

皆木 人それぞれにポイントがあると思うんです。キャラクター同士の絡みだったり、フェアリーズだったり、僕らハーツだったり…。見どころはいっぱいあるので、いろいろなところを楽しんでいただきたいです。そして、参加型ミュージカルなので、ライトをみんなで振って、みんなで一体になれるステージです。目いっぱい、楽しんで帰っていただければと思います!

 

取材・文:宮崎新之

 

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