6月3日(金)から東京・明治座にて開幕する、氷川きよしの7度目となる座長公演「氷川きよし特別公演」。7月から9月にかけて大阪・福岡・愛知を巡る。その公演での第一部では、18世紀フランスにタイムスリップする舞台「ケイト・シモンの舞踏会~時間旅行でボンジュール~」が上演される。この舞台に出演することになった、女優の彩輝なおは、この物語にどのように挑むのだろうか。話を聞いた。
――今回は氷川きよしさんの公演にご出演されるとのことで、最初にお話を聞いたときはどのような印象でしたか?
18世紀のフランスのご令嬢という役と聞いたときは、「え?」って聞き直しました(笑)。でも、氷川きよしさんとご一緒できるということで、とても光栄なことだと思いました。氷川さんは、歌手としていろいろな歌を歌われていて、さらに表現の幅をひろげていらっしゃる。本当に素晴らしいですよね。演歌で培われた心から歌うという部分を、ロックやポップスなどでも歌われていて、音域も広くて、声量も素晴らしくて。以前からのものを大切にしながら新しいところにも挑戦されて、さらに迫力も感じられるところがとっても素敵だと思います。
――貴族のご令嬢・ショコラという役どころについて、どのようなイメージをお持ちですか?
素直で明るくて、ちょっと冒険心もある女性だと思います。氷川さん演じるケイトと出会ったことで、秘めていた冒険心が動き出して、ケイトが自分の心にあった悩みを打ち明けられる存在になったのではないかと思っています。
自分自身も素直な気持ちで演じていきたいですね。周りの方々との関わりも大切にしたいです。氷川さんはもちろん、バラエティに富んだ方が集まっていて、私もまだお会いしていない方ばかりなので楽しみ。お稽古も、ほかのジャンルからいらしている方がいるからこそ、手法にとらわれない表現になっていくんじゃないかと思っています。いろいろなところに刺激を受けて、新しいものが見えてくると思います。
――明治座には何度も立たれて来られていますが、明治座という劇場の印象やイメージは?
明治座さんでは、朝劇場に入って1日中過ごすことになりますが、楽屋が整っていて、すごく快適な生活空間になっちゃうんです。以前、出演させていただいたときは、お風呂もトイレも楽屋についているので「もうここに泊っていきたいね」なんて話していました。温かみがあって、快適でリラックスした気持ちでステージに立つことができる感覚は、ほかではあまりない感覚かも知れません。
――今回のポスタービジュアルもとても華やかで素敵なお衣装ですが、身に着けてみての印象は?
少し勝手が違うと言いますか、輪っかのドレスは着慣れていなくて(笑)。そこは、男役の衣装の方が腹に落ちるような感覚がありますね。いわゆる普段着に近いような女性の衣装については、さほど考えるようなこともなくなってきましたが、今回のようなドレスは、優雅に動かなきゃ、みたいな気持ちにさせられますね。今回は、宝塚の下級生(愛原実花)もいるので、“先生”についていきたいと思います!
――劇中では男装されるシーンもあるとお聞きしました
そうなんです。美しく出られるように頑張ります!男装でステージに立つのは、久しぶりと言えば久しぶりですが、宝塚のOG公演などで、男装に近い恰好もしたことがありましたので、あまり抵抗感というか久々だ、という感覚でもないんです。でも、男装をすると、やはり男役のころの動きが自然に出てしまう部分もあります。とはいえ現役の頃よりはちょっとミックスされているような感じかな。
――そちらも楽しみにしています。今回のお話は役名がショコラやマカロンなどお菓子の名前がついています。彩輝さんは甘いものはお好きですか?
若いころはまったくと言っていいほど興味が無かったんですけど、最近になってよく食べるようになりました。というか、毎日食べます(笑)。今はホイップクリームが好きで…シュークリームでも、カスタードクリームよりもホイップクリーム派です。濃厚なベイクドチーズケーキのようなケーキも好き。家で食べるときは、甘いおやつとしょっぱいものを、甘い、からい、甘い、からい…と、交互に食べたりもします(笑)
若いころはお酒が好きで晩酌もよくしていましたが、それを摂生するようになってから甘いものに興味が出てきた感じですね。いろいろと家にストックもしてあります(笑)
――そうなんですね(笑)。ちなみに我々ローソンチケットは、コンビニのローソングループなんですが、ローソンでお買い物されることもあるんですか?
近くにナチュラルローソンがあって、つい最近も行ってきたんですよ。あんこのクロワッサンを買ったり、冷凍食品やお惣菜なんかを買い求めることもあります。お惣菜がひと口ずついろいろ入っているのが好きですね。ハーゲンダッツのアイスクリームを、どれにしようかと悩んでいるうちに、全種類買ってしまったこともありました(笑)。お野菜が足りないな、と思ったときはスムージーを買いますし、スナックコーナーも、ちょっと珍しいお菓子があったりしますよね。「京挽ききなこくるみ」とか、チョコレートとかポテトチップスも!ほかでは見ないレトルトカレーもあるし、あと、文房具とか、かわいいポチ袋や付箋とか、いろいろなものがあって、いつも楽しくお買い物しています。
――すごくご活用いただいていて、嬉しいです! お芝居が始まるととても忙しい日々になるかと思いますが、何か決めていることやルーティンのようなものはありますか?
公演期間中の食事は、お肉を食べることが多くなるかな。体のサインというか、食べたいと感じたものをいただくようにしています。とはいえ、公演が始まってしまうと劇場と家を往復するだけになりますし、簡単に焼いてお気に入りのソースでチャチャッとできるものを作っています。そういう意味では、ルーティンというかパターンは決まってくるかもしれませんね。テイクアウトやデリバリーも活用していますよ。
あとは適度な運動をして、早寝早起き。早起きが好きなんですよ。気持ちがスッキリするので。朝、窓を開けて、おひさまを見たり、空を見たりするのが好きですね。でも、早起きしてゆっくり…という感じでもないです。その日のことを考えながら準備したり、お花に水をあげたり、家事をやったり、何かしらやっている気がします。いろいろなことをできるだけ午前中に済ませたいタイプなんです。
――役作りというか、役を体に入れるような時間はどのようにしているのでしょうか。
何かをしている最中も、ずっと台本のことが頭のどこかにあるんですよ。例えば、外を歩いていて木々がキレイだな、というところから、鳥のさえずりを聞いてイメージをふくらませたり、そこから台本の世界にどんどん繋がっていくような。なので、いろいろな外の空気感を感じられたらいいですよね。
台本を読むと、自分の中で絵が浮かんできますよね。そこと自分の感じたことを重ねていく感じです。今回の場合だと、朝起きて日差しを感じたときに「おはよう、小鳥たち」みたいな(笑)。それを声に出さなくても、イメージをつかんでいきます。ショコラだったら、きっとこんなふうに声を出しちゃうんじゃないか、って。
もちろん、作品によってはいろいろな資料を見たり勉強する時間も必要になることがあります。今回も別の時代のお話ですし、時代背景として歴史の繋がりなどもありますが、今回に関しては人とのつながりや、心の中の純粋さを大切にお届けできたらと思います。
――楽しみにしています! 本日はありがとうございました
取材・文:宮崎新之