舞台『蟻地獄』 板倉俊之&髙橋祐理 インタビュー

【左】板倉俊之【右】髙橋祐理

板倉俊之の人気小説が待望の舞台化!

 

インパルスの板倉俊之が、自身2作目の小説『蟻地獄』を自らの脚本・演出で舞台化する。本作は、一攫千金の夢につられて罠にはまった青年・孝次郎が、友人の命を助けるために5日間で300万円の大金を用意すべく奔走する姿を描いたサバイバルサスペンスだ。主人公・孝次郎を、『ヒプステ』などで人気を集める髙橋祐理が演じる。

髙橋「銀髪に、鋭い目つき。ひと目見たときから孝次郎のビジュアルがめっちゃカッコいいなと思っていたので、自分が演じられることがとにかく嬉しいです」

板倉「孝次郎はいいよね。俺も20歳のイケメンだったら絶対やりたいもん(笑)。初めて髙橋さんの写真を見たとき、ちょうど銀髪で、『このまま出てくんねえかな?』って思うぐらい(笑)、孝次郎にピッタリだったんですよ。それでいて、中身は礼儀正しい、古き良き日本男児。キャスティングってちょっとギャンブルなところがあるんですけど、このギャンブルには勝ったなと思いました」

孝次郎は全編ほぼ出ずっぱり。膨大な出番と台詞量と格闘することとなる。

板倉「この地獄の出ずっぱりに関しては耐えていただくしかないですね。天野(浩成)さんにも『すみません!』って真っ先に謝っておきました(笑)。ただ、これを乗り越えたら、これからの髙橋さんの道にどんなキツい作品が待っていても、『蟻地獄』に比べたらマシだって思える気がします」

髙橋「台本を読んだとき、人生で初めて無敵の喉がほしいと思いました(笑)。僕にとって初めての主演舞台。見せ場が多いのも台詞が多いのも、むしろありがたいぐらいです。めちゃくちゃいい経験になると思うし、今後の俳優業にとって絶対プラスになるはず。どれだけ自分が大きくなっても、この『蟻地獄』が初主演舞台だったことを誇りに思えるような作品にしたいです」

気性の荒い性格ながら、頭の回転が早く、窮地にも冷静に対応する孝次郎。男が惚れる男というべき魅力的なキャラクターを、髙橋はどのように構築しようと考えているのか。

髙橋「幼稚園の頃からいろんな人に犯罪者みたいな目をしてるって言われてきたので(笑)。目つきに関しては素のままで問題ないかなと」

板倉「孝次郎を演じる上で、悪そうエッセンスは不可欠。髙橋さんの写真を見たときに惹かれたのも、不良っぽい匂いがしたからなんですよね。だから、そこは何も心配していないです」

髙橋「あとは天野さんとの共演が楽しみです。しっかり役者として対抗できるように頑張ります!」


本作は本来なら昨年上演の予定だったが、コロナ禍により中止に。1年の充電期間を経て、ついに上演が決定した。

髙橋「初主演舞台だけに中止が決まったときはショックが大きくて。他のお仕事をしながらも、ずっと『蟻地獄』のことが頭にありました。こうしてまた挑戦できることがうれしいですし、絶対やれると信じてきて良かったなと思います」

板倉「ただ、この先何があるかは誰にもわからない。100%やれて良かったと言えるのは、無事に千秋楽を終えたときだと思います。そこまで気を引き締めてやっていきたいです」

 

インタビュー・文/横川良明
Photo/岡田晃奈

 

※構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載
※写真は誌面とは異なります

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【プロフィール】
板倉俊之
■イタクラ トシユキ ’98年にお笑いコンビ「インパルス」を結成。お笑いタレントとしてだけでなく、作家としても活躍している。

髙橋祐理
■タカハシ ユウリ ダンス&ボーカルグループ「Zero PLANET」のメンバー。「蟻地獄」で舞台初主演を務める。