初めてアメリカ大陸に渡った日本人の人生が舞台に!
歴史上の人物や出来事を興味深く面白く、かつてないエンターテイメントとして表現する『もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ』。2014年にスタートして以来、スピンオフのライブイベントも人気の舞台の最新作が上演される!第6弾『ジョン万次郎』は日本人で初めてアメリカ大陸に渡った男の物語。これが初参加の溝口琢矢がジョン万次郎、石原壮馬と正木郁がその仲間たち、シリーズ全作に出演している山崎樹範が勝海舟役に挑む。4人に話を聞いた。
溝口「ジョン万次郎の名前は教科書に載っているので知っているものの、実際に何をしたか知らない人が多いと思うんです」
正木「僕がそうでした。大学受験で日本史を選んだほど歴史が好きなので今回、芝居を通して学べるのがすごく楽しみです」
石原「開国時に通訳をしたと聞くと、ジョン万次郎がいなかったら日本の歴史はどうなっていたのかと考えます」
山崎「ジョン万次郎に焦点を当てた作品はあまりなく、このシリーズとしても幕末モノは初めて。僕は勝海舟役ということで、“無血開城”のシーンがあるかなと密かに期待しています」
江戸時代末期、土佐の漁師だった万次郎は船が難破し、アメリカ船に救われて大陸に渡り、差別や文化の違いを乗り越えたのち、日本の開国に尽力した。毎回、激動の歴史を演じる若手俳優たちの熱きパフォーマンスも見どころの本シリーズだが、その稽古場は、山崎曰く「部活のよう」だとか。
山崎「みんな芝居に対しては真面目ですが、和気あいあいと楽しいので、どうか安心してください」
溝口「楽しみです。僕は同じ大関真さん演出の『見上げればあの日と同じ空』(’14年)の時に、稽古場で頭が真っ白になって泣いてしまったことがあって。すごく甘えていたと思うので、これをチャンスに少しでも成長したと思ってもらえるように頑張りたいです」
石原「僕も18歳で劇団プレステージの舞台に出た時に全然何もできなくて、すごく悩んだことがありました。でも、そこから舞台に対する臨み方が変わったのは確かです」
正木「僕にとっては歴史が題材ということも含め、初めてのことばかりなので。とにかく今自分が持っているものを全部使って出していかないと、と思っています」
そもそもこの企画が生まれたのは、人気番組「戦国鍋TV」に出演した山崎が、「そこで出会った若手俳優たちが、もっと生身で芝居ができる場が作れたら」とプロデューサーに声をかけたことがきっかけだったという。
山崎「偉そうにそんな話をしたわけですが、自分の想像を超えて作品が成長しているのがありがたいです。何より若い役者さんたちが頑張っている姿は美しく、僕自身、大いに刺激をもらっています」
石原「稽古場で山崎さんからいろいろ伺いたいですし、勉強になったなと思ってもらえる舞台になればいいなと」
正木「壮大なドラマに負けないよう、大きな芝居ができるようになりたいです」
溝口「この舞台でひとつ“ジョン万次郎”のイメージができると思うので責任重大ですが、人物の魅力を伝えることを目指します」
山崎「歴史だけを見ると、こんな出来事があった、で終わってしまいますが、ジョン万次郎の人生もすべては今につながっているし、人の喜怒哀楽は時代が違っても変わらないはず。この時代の人たちのほうが激動の中を生きているので、その感情に僕らがいかに追いつけるかですが、絶対に楽しんでもらえる内容です!」
新たな歴史ドラマをぜひ目撃したい。
インタビュー・文/宇田夏苗
※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
溝口琢矢
■ミゾグチ タクヤ 子役として映画などに出演したあと、’15年に『仮面ライダーゴースト』にレギュラー出演を果たす。
石原壮馬
■イシハラ ソウマ tvk「猫のひたいほどワイド」レギュラー出演中。出演作に映画『斉木楠雄のΨ難』などがある。
正木郁
■マサキ カオル ’17年、方南ぐみ企画公演『片想い』で舞台デビュー。舞台「HOME~いつか帰るよ、僕だけのHOME~」に出演。
山崎樹範
■ヤマザキ シゲノリ 劇団カムカムミニキーナ所属の俳優。崩壊シリーズ『リメンバーミー』をはじめ数多くの話題作に出演。