「ぽいほい病」に侵されると駆除される、不条理な世界の物語
本作は、ものを無意識に捨て続けてしまう病、「ぽいほい病」に主人公が侵されたことで、人生が狂わされていく主人公と、そのルームメイトである男女3人を中心に、この「ぽいほい病」に侵されると駆除されてしまう世の中の物語が描かれる。
本作は、昨年10月にウエストエンドスタジオにて上演され、話題を呼んだ『椅子に恋した娘』に次ぐ劇団papercraftの新作公演であり、フィクションの設定の中でリアルな会話が繰り広げられる、不思議な世の中を描いた不条理劇である。
そして、そんなものを捨て続けてしまう病に侵される男を、野島健矢が演じるほか、そのルームメイト役をさいとうなり、神田聖司、今川宇宙の3人が務める。またさいたまゴールド・シアターやハイバイに出演の井上向日葵、SUPER☆GiRLSの門林有羽ほか、個性豊かなキャストが名を連ねており、どのような役柄を演じるのか、注目である。
到着した舞台写真には、シンプルな舞台セット上に大量のティッシュペーパーが散りばめられており、弱冠22歳で本作の作・演出、また主宰を務める海路が、どのような世界を構築するのか、見どころの一つである。
浅草九劇(東京都台東区)にて、2月16日(水)~20日(日)までの上演となる。
海路(作・演出)コメント
これ果たして、悲劇なのか、喜劇なのか。リアルなのか、リアルでないのか。
ものを捨て続ける病にかかると、駆除される。これはそんな不条理なお話です。ただ不条理だからといって、意味が分からないかと言われたら、分かるような気もする。けど、やっぱり分からないような気も、しなくもない。
いつ何時だって、よく分からない他人のこと、社会のこと、その他何かのことに、一緒に浅草九劇という劇場空間で、巻き込まれて頂けたら幸いです。
あらすじ
「殻みたいな毎日を、ただ捨てようと思っただけでした。」
僕はものを捨て続けてしまう、そんな病にある日突然侵されました。
「ぽいほい病」っていうそうです。
僕は同世代の男女4人でルームシェアをして暮らしています。
皆とても仲良しで、とても大好きです。
でもそんな皆の大切なものを、はたまたそうでないものも全部、僕は捨ててしまいます。
そしてその時の記憶は一切ありません。
いっときはこの家を出ていこうかと思いもしましたが、
皆が温かいおかげで前向きに治療に励もうと思いました
この治療が終わる頃には、僕は笑えているのでしょう……きっと。