「當る卯歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」│片岡愛之助 合同取材会レポート

2022.10.28

12月4日(日)~12月25日(日)まで京都・南座で上演される當る卯歳(あたるうどし) 吉例顔見世興行(きちれいかおみせこうぎょう) 東西合同大歌舞伎。この公演に先駆けて合同取材会が行われ、第二部『封印切』と第三部『女殺油地獄』に出演する片岡愛之助が、公演への思いを語った。

第二部の『封印切』では八右衛門を勤める愛之助。役について、「八右衛門は忠兵衛によって変わってくるお役なので、毎回忠兵衛とのキャッチボールが心地よいです。鴈治郎兄さんとも、扇雀兄さんとも、山城屋の兄さんともさせていただいたことがありますが、お三方それぞれに違いを感じ、楽しかったことを覚えています」と笑みを浮かべた。

つづいて第三部の『女殺油地獄』については、「顔見世興行で初めてかかると伺い、そのような折に孝太郎兄さんとやらせていただけるのが非常に嬉しく、ありがたく思っております。ファンの方にも上方の演目をしてほしい、と言われることが多々あり、やりたいと思っていた演目でもありました。私が勤める与兵衛は、妹を可愛がっていて愛のある人間だと思いますが、結局は放蕩息子であり、常識ではできないようなことをする役です。若さゆえに過ちをおかすわけですが、初役の時は伯父の仁左衛門に、理屈っぽくなく、等身大の若さを大切にするようにと習いました。実際に自分が五十代になり、その言葉の意味がよく分かります。歳を重ねるごとに難しくなってくるお役なのだと思いますが、その時間の中で積み重ねてきた経験が活きると思います。今回勤めるにあたり、改めて文楽の音源を聞き、勉強をしています。文楽は歌舞伎とは表現方法が違いますが、根源は同じだということを感じ、興味深いです。」と熱く語った。

最後に「吉例顔見世興行」に出演するにあたっての思いを問われ、愛之助は「父(二世片岡秀太郎)がいないことは寂しいですが、そうした中で『封印切』や『女殺油地獄』を、しかも千代丸の名で初舞台を踏んだ南座でやらせていただけるということは夢にも思っていませんでした。上方の役者として、非常に大切な「吉例顔見世興行」でお役を勤め、勉強できる大切さを噛み締めて、これからも出演し続けたいと思っております。諸先輩方の背中と生き様を追い、上方歌舞伎の一端を担うことのできる役者になりたいです。」と決意を新たにした。

チケットは11月9日(水)10:00からローソンチケットで一般発売開始!現在、11月6日(日)まで抽選先行受付中だ。先行受付・公演日程などの詳細は、下記「チケット情報はこちら」よりご確認ください。