左から)小関裕太、三浦宏規、高野 洸、牧島 輝
中国・春秋戦国時代を描く原泰久の大人気コミック「キングダム」。発行部数は累計9500万部を超え、TVアニメや映画等様々なメディアミックスを経て、ついに初の舞台化が実現した。先月東京・帝国劇場で幕を開け、続いて3月は大阪、そして4月福岡・博多座、5月北海道へ現在ツアーの真っ最中だ。ツアー公演の最中、舞台『キングダム』で天下の大将軍を夢見る戦災孤児の少年「信」をWキャストで演じる三浦宏規と高野 洸、中華統一を目指す若き秦国王「嬴政」と、信の親友でともに天下の大将軍を目指す「漂」の二役をWキャストで務める小関裕太と牧島 輝の4人が、東京公演閉幕後、福岡にかけつけ、博多座公演のPRを行った。
まずは、舞台『キングダム』へのオファーが届いた時の心境は?という質問に、信を演じる三浦は、「あの原作がどうなるんだろう?ぜひ観てみたいという期待感を持ちました。もちろん、相当なプレッシャーはありましたが、それ以上にやり切りたいという気持ちの方が強かったです。なので、今は東京公演を完走出来たのが嬉しいですね」
続けて「あとは、アキさん(高野 洸)が、帝劇最終日のカーテンコールで『帝劇統一!』と言って、それがプチバズリしてトレンド入りされたようで(笑)、僕が流行らせたかった(腕を前に突き出して)『キングダムーー!』というフレーズはトレンド入りできず残念でしたが(笑)、博多座公演ではこのフレーズを広めたいと思っています!」とユニークなエピソードを明かすと高野ほか3人から笑みが。「え?ムーって、のばすの?」と高野が確認すると三浦から「いや、“ムーー”です。2つ(棒線)のばしで『キングダ…ムーー!』でお願いします(笑)」とレクチャーする場面も。
続いて、Wキャストの高野は「大人気コミックの、主人公の信を演じるということで驚きしかなかったです。お客さんにはダイナミックな演出の場面も、実は裏で大勢のスタッフ・キャストが緻密に動いていたので、よく走りきれたなと思っていますし、これから続くツアー公演も気を緩めずに頑張りたいと思います」と言った直後に3人の顔を見ながら『キングダ?』と高野が声を上げると、4人で『ムーー!』と声を合わる息の合った様子に、記者たちからも笑みがこぼれた。
そして、 嬴政と漂2役をWキャストで演じる小関は「国王の役と聞いた時は、正直不安でした。どちらかというと、一から役を構築するのが好きだけど、国王という存在を一から作り上げることが出来るのか?イメージがわかなくて不安で。あとは、事務所の先輩である吉沢亮さんが映画版で同じ役を演じられた役なので、お話を頂いて運命のようなものも感じました」と語り、
カンパニーの中で一番「キングダム」に詳しいというWキャストの牧島からは「嬴政と漂役の話が来たときは、『キター!!』とガッツポーズしました。本当に大好きな作品でしたので、舞台化されても自分が出演できるなんてまさか思っておらず…ほんとうに嬉しかったです。そして原作のファンとしては、公演中は自分の目の前に信がいる!王騎がいる!ほんとに夢のような日々を過ごさせてもらっています」と目を輝かせた。
帝国劇場での公演を終え、あらためて作品のみどころを聞かれると、「全員が言いたいことを一番に言います(笑)!」と三浦が口火を切り、「とにかく全てがリアル!皆が息を切らしながら戦う場面は、客席から見ていてもまるで自分が戦闘に加わっているように感じます。一公演終わるごとに戦いをやり切ったと思うほど、みんなが本気で身体を動かしています。舞台は“生”であることの醍醐味を感じて頂けると思います」と熱く語った。
続いて高野は「舞台美術!とにかくセットがすごいです。奥行きがあり、とても大迫力で、色々な質感をもったセットを使った演出はとても面白いです。場面によって、セットがダイナミックに展開して、照明の当て方ひとつで表情をかえるので、ほんとうに素晴らしいです。」と語れば、小関は「音楽です!生演奏で繰り広げられるので、毎公演違う音色が聴こえてきて、音楽に背中を押されることもありました。かと思いきや、殺陣の場面では逆に音が止まって、SE(効果音)を使わずリアルに刀がぶつかる音だけ聴こえるので、音が消えた瞬間までも見どころです」と語った。また、牧島は「スケール感が見どころです!劇場の大きさは決まっているけれど、それを感じさせないくらい役者陣の熱量がとても大きく、空間が広がっているように感じます。劇場の広さ関係なく、話が広がっていくスケール感を感じさせるのはこの作品の持つ凄味だと思います」と語った。
また、役作りで気をつけたことやアピールポイントは?という質問には、「信という役は主人公だけど下僕出身で泥臭い感じを猫背の姿勢とか自分なりに表現出来るように気をつけました。信は誰かに教わった殺陣ではないのに強いんです。自己流なのに強く見えるその殺陣には、身体の使い方を意識して稽古の時から挑んでいました」と三浦。同じ信役の高野は「孤児である大変さやその中で生まれた優しさをどう見せるか、原先生の台詞から信の魅力を読みほどいて解釈しつつ、追及しています」と明かしてくれた。
そして小関は「漂はこの作品の中ですごく重要な位置にあると思っています。なぜなら、信が前に進んでいく信念の大元になっているのが漂の《死》なので、登場する場面は少ないのですが、生き様もそうですが、死に様は素敵なシーンになればいいなと思っています」と語ると、牧島は「嬴政は大きなリアクションを取るタイプではないので、目に注目して見てほしいです。台詞が無い場面でも考えて役作りをしましたので、そういった細かいところに注目して頂けたらと思います。目は口ほどにものを言うっていいますしね」と教えてくれた。
高野は、福岡県久留米市出身ということもあり、博多座の印象を聞くと――
「博多座にはすごく憧れがありました。高校卒業後に上京しているので、福岡の人には何か恩返しが出来ればいいなと思って活動してきたので、福岡で公演出来ることは嬉しいですね。上京したのが10代ですから居酒屋とかは知らないので、キャストの皆さんに美味しいお店を聞こうと思ってます」と言いつつも、3人におススメとして地元久留米の「“立花うどん”は一番おススメしたいし、是非食べて欲しいです!麺が柔らかくて出汁も美味しい!でも、車で40分ほどかかります(汗)」と語った。また今回4度目の博多座出演となる三浦は「何度もお世話になっている博多座に帰って来られるのが嬉しいです。一ヵ月滞在での公演も4回ほど経験ありますし、もはや第二の故郷だと思っています。博多に来ると落ち着くんです。あと、4年前に『レ・ミゼラブル』の博多座公演で帰る時に雨で博多座さんに傘を借りてそのまま東京に帰ったことがありまして、『次、お返します』と言ってたんですが、その傘を借りっぱなしで…。今日持ってくればよかったですね!忘れちゃいました(笑)。大阪公演で“大阪統一”してから家に帰って傘を持って、博多座に馳せ参じようと思います!」とエピソードを明かしてくれた。そんな三浦とは打って変わって、福岡での一ヵ月の滞在が初めてとなる小関は「どう過ごしたらいいものか・・と考えてました。こんな時に福岡に友達がいれば、久しぶりに会うんだ!とか約束出来るんだろうなって。なので、こちらでは・・・友達作りをしたいです(笑)」と意外なプランを出すと、「え?こっちで友達作り?福岡の人は温かい人が多いから出来るかも(笑)」と高野が福岡県民を代表してフォロー。そして、牧島は「美味しいものをいっぱい食べたいですね。役者の先輩たちからも博多座はとてもいい劇場だと聞いてるので楽しみです。あとは僕も・・・また博多座に帰ってこられるように、傘を借りて帰りたいと思います(笑)」といたずら気味に笑ってみせた。
最後に、お客さんへのメッセージを聞かれ、まずは牧島は「魅力がたくさん詰まった舞台です。初見の方もいれば既に観られた方もいると思いますが、劇場が変われば作品自体も変わっていくと思っています。帝劇は帝劇の『キングダム』、博多座は博多座の『キングダム』があると思うので、作品が成長していく“様”を見ていただければと思います」と語ると、小関は「帝国劇場の公演を終えて、スゴイものを皆で作れたなと実感しています。福岡・博多座での公演はツアーの中でも一番長い公演期間ですが、『(期間)たっぷりあるじゃん!チケットとるの後でいいや』なんて思っているとスグに終わってしまうので、今スグにでもチケットをとっていただけたらと思います(笑)。ぜひ観に来てください!お待ちしています」と笑顔を見せた。
続く高野は「九州にお住まいの方は、ぜひ博多座に集まって欲しいですね。僕らはここから“梅芸統一” (大阪・梅田芸術劇場)を目指し、福岡へ凱旋して“博多座統一”を目指しますので、今しか見れないものを見に来てほしいです」と話すと、最後に三浦は「皆さまを裏切らない作品をお届けしたいと思うので、楽しみに待っていてください!」と熱い胸の内を語った。
今回の会見は、常に笑いが絶えず、彼らのチームワークの良さが充分に伝わってきた。このチームワークが生み出す舞台『キングダム』。東京・大阪公演を完走した彼らが、“九州統一!” “北海道統一!”を見せてくれることに期待したい。 大阪公演は3月19日(日)まで上演中。続く福岡公演は4月2日(日)~27日(木)、北海道公演は5月6日(土)~11日(木)と巡演する。
なお、ローソンチケットでは、福岡・北海道公演のチケットを販売中!また、4月10日(月)17:00の回の福岡公演においては、通常販売枠の残席わずかなところを【ローチケ半館貸切公演】として1階前方から3階席までの各席種を確保!さらに25歳以下の人はお得な料金で購入出来る「U25限定チケット」も福岡公演分は販売中だ。福岡公演は事前に座席を選んで購入することも可能。良いお席はお早めに!!
福岡・北海道公演、いずれのチケットも詳細は、下記「チケット情報はこちら」よりご確認ください。
取材会後の4人は“九州統一”を目指し下準備へ!?
また、この日、取材会を終えた4人が向かった先は―― 福岡ソフトバンクホークスの本拠地・福岡PayPayドーム。3月4日(土)よりオープン戦が始まった福岡PayPayドームのマウンドに登場!福岡ソフトバンクホークスVS東京ヤクルトスワローズ戦の試合前にセレモニアルピッチという大役を果たしに現れた。
投球前の挨拶では三浦が「博多座公演はプロ野球開幕と近い時期の公演ですので、野球と共に舞台『キングダム』も盛り上がっていけたらなと思います」。続けて高野は「福岡出身ということもあり、子供の頃からよく観戦に来ていた場所に立てていて、今すごく感動しています。また、舞台『キングダム』でも憧れの博多座に立たせていただくので、今日ここで活気づけて頑張りたいと思います!」と意気込み。このセレモニアルピッチは“九州統一”への下準備といったところだろうか?公演に対する気合十分の4人の姿から福岡・北海道公演も期待を裏切らない作品になること間違いなさそうだ。その歴史的瞬間をぜひ劇場で、その目に焼き付けてみては?
撮影(合同取材会)/大工昭
取材・文/ローチケ演劇部
舞台写真提供/東宝演劇部