11/9(金)に開幕する新感線☆RS『メタルマクベス』disc3で主人公・ランダムスターを演じる浦井健治は、劇団☆新感線の舞台に立つのがこれで3回目。いわゆる“準劇団員”のお墨付きが今回からもらえる!とヴィジュアル撮影の時点から終始笑顔だった浦井。当然ながら『メタルマクベス』への意気込みは早くも充分だ。ヘヴィメタルの生演奏が響く中、2218年の近未来と1980年代のバンドブーム真っ最中の日本という2つの時代が交錯していくこの物語。脚本は宮藤官九郎、演出はいのうえひでのりという最強のタッグが手がけている。客席が360°回転する劇場、IHIステージアラウンド東京での上演ということも含め、絶対に他では味わえない新しいシェイクスピア体験が楽しめるはずだ。新感線の舞台では過去2回とも“シャルル王子”という唯一無二の当たり役を演じてきたが、今回演じるランダムスターはマクベスの役まわりにあたるため、途中から“王”となることにも感慨深げな浦井。その心境を、語ってもらった。
――『メタルマクベス』へのご出演の話が来た時には、まずどう思われましたか。
浦井「めちゃくちゃうれしかったです! そして今、めちゃめちゃ緊張もしています!! 実は高校生の時から劇団☆新感線の、このパンクでロックで、いかつい感じの世界に本気で憧れていたんです。その憧れのフィールドの真ん中に自分が立たせていただけるなんて、今までやってきてよかった、とうとうここに来られた!っていう気持ちでいっぱいです。夢は、叶うんですね!!」
――『メタルマクベス』の初演は、ご覧になりましたか。
浦井「はい、劇場で観ました。あのシェイクスピアの『マクベス』の世界観と、宮藤(官九郎)さんの世界観と、劇団☆新感線の世界観が凝縮されていて、これぞエンターテインメント!という舞台でした。いわゆるロックミュージカルというか、パンクミュージカルというか、そんなテイストの真骨頂も目の当たりにできて、ずーっと鳥肌が立ちっぱなしでしたね」
――そしてdisc3のランダムスター夫人役は、長澤まさみさんですが。
浦井「共演できるのは、とても光栄です。もちろん映像や舞台で何度も拝見していて、なんて華のある、そしてなんて芯の強さがある、素敵な女優さんなんだろうという印象を持っています。その長澤さんがランダムスター夫人、つまりマクベス夫人を演じられるんですからね。僕、どれだけいじめられるんだろう(笑)。とにかくしっかりと夫人を愛しながら甘えながら、そして利用され罵倒されながら、ランダムスターを演じきれたらと思っています」
――disc3には、橋本じゅんさんや粟根まことさんといった、お馴染みの新感線劇団員も顔を揃えます。
浦井「はい。とても心強い、最高の顔ぶれですよね。憧れの先輩たちです。その背中の大きさたるやハンパないですし、周りの人を大切にする愛に溢れていて、でも芸事に対しては厳しくて。そういう先輩方がずっと歩んできた劇団☆新感線の道のりに、自分も関わらせていただけるということは本当に最高です」
――IHIステージアラウンド東京という、客席が回る特殊な機構の劇場での上演になることについてはいかがですか。
浦井「『髑髏城の七人』シリーズの時に観に行かせていただいたのですが「なんて最先端なんだ!」と思いました。「これ、アトラクションか?」とも思いましたし「新しい演劇を目撃した!」という気持ちにもなりました。だけど、終演後に楽屋に挨拶に行かせていただくと出演者のみなさんが口を揃えて「メチャクチャ大変だよ」ということしか言わないんですよね(笑)。なので、みなさんからアドバイスをいただいて、足腰を鍛えたり筋トレをして、稽古、本番に入る前にまずは体力をバッチリつけておくつもりでいます」
――では最後に、お客様に向けてお誘いメッセージをいただけますか。
浦井「今回、3回目の出演となります劇団☆新感線の『メタルマクベス』で、ランダムスターを演じさせていただきます。本当に光栄極まりない、自分にとっては夢の舞台です。そんな『メタルマクベス』をしっかりと務めていけるように、カンパニー一丸となってがんばっていきます。今回は3チームあるわけですが、兄貴と呼べるような大きな先輩であるdisc1の(橋本)さとしさんからは「おまえにちゃんとバトンを渡せるようにがんばって完走するから、しっかり受け取ってくれや!」と言われています(笑)。そのバトンをdisc2の(尾上)松也くんと一緒にきちんと3人でつないでいって、ランダムスターを一回一回、大切に演じさせていただこうと思っていますので、みなさんぜひとも劇場に足をお運びください!」
インタビュー・文/田中里津子
Photo/村上宗一郎
ヘアメイク/山下由花
スタイリスト/壽村太一