PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『桜の園』プレスコール&初日前会見よりコメントと舞台写真が到着!!

2023.08.08

(後列左から)中上サツキ 永島敬三 竪山隼太 前原滉 川島海荷 安藤玉恵 市川しんぺー 川上友里 天野はな
(前列左から)松尾貴史 成河 原田美枝子 八嶋智人 村井國夫
撮影:岡千里


120年の時を超え、今こそ上演すべき作品
誰も見たことが無い、23年版『桜の園』開幕!!

8月7日(月)に東京・PARCO劇場を皮切りに、9月には宮城・広島・愛知・大阪・高知・福岡にて上演されるPARCO劇場開場50周年記念シリーズ『桜の園』のプレスコール&初日前会見が開催されました。

ロシアの劇作家アントン・チェーホフが1903年に執筆、翌年に初演された『桜の園』。本作の大きな時代の転換点に人生の価値観の変化を余儀なくされ、内に葛藤や矛盾を抱えている登場人物の姿は、現在を生きる私たちに通じるものがあります。今回の台本は、サイモン・スティーヴンスが現代の俳優が語るにふさわしい軽妙な台詞に書き換えながらも、『桜の園』の本質を率直に捉え、戯曲を古典文学としてではなく現代の劇場で上演するものとしてアダプテーションしました。『セールスマンの死』を新たな解釈で魅せたショーン・ホームズが、その演出手腕で『桜の園』をどのように立ち上げるのか、ご注目ください。ショーン・ホームズにより120年前の物語が、時代を超え、国境を越え、今なお現在に生きる私たちに問い掛けてくる「声」を掘り起こし、2023年に響かせます。

女主人のラネーフスカヤ役には多くの巨匠たちからオファーを受け数々の作品に参加し、その確かな演技力で日本アカデミー賞など受賞歴多数の日本を代表する女優 原田美枝子。今回、4年ぶりの舞台出演を果たします。共演者にも魅力あふれる実力派俳優たちが結集、賑やかな顔合わせが実現いたしました。幼少からラネーフスカヤを慕っていた実業家ロパーヒン役は八嶋智人。新しい思想でラネーフスカヤの娘アーニャに影響を与えるトロフィーモフ役は成河。ラネーフスカヤの養女ワーリャ役は安藤玉恵。娘のアーニャ役は川島海荷。桜の園の管理人のエピホードフ役は前原滉。アーニャの家庭教師シャルロッタ役は川上友里。ラネーフスカヤとともにパリに同行していた若い召使いヤーシャ役は竪山隼太。メイドのドゥニャーシャ役は天野はな。近所の地主ピーシチク役は市川しんぺー。女主人の留守を預かっていた兄ガーエフ役は松尾貴史。先代から仕える老召使フィールス役は村井國夫、また、新たに永島敬三、中上サツキ二人の俳優が加わり、舞台のみならず映像でも活躍する素晴らしい俳優たちの顔が揃いました。ショーン・ホームズが豪華俳優陣、日本クリエイターと創る23年版「桜の園」にどうぞご期待ください。

プレスコール&初日前会見のコメントと舞台写真が到着しましたので掲載します。

コメント

演出:ショーン・ホームズ
※ショーン・ホームズは会見には登壇していません。事前にテキストでコメントをいただきました※
PARCO劇場で3作目となる演出の機会をいただいたことをとても光栄に思っています。そしてさらにそれがチェーホフの傑作戯曲「桜の園」であることは非常に光栄なことです。私の長きにわたる友人でありコラボレーターのサイモン・スティーヴンス版の「桜の園」は、ダイナミックでありながら、原作に忠実で、その奥深さ・矛盾・ばかげた不条理を捉えています。原田美枝子さんをはじめとする、作品への情熱と才能に溢れるキャストの皆様とご一緒できたこと、そして「セールスマンの死」を共に創ったクリエイティブチームの皆様と再びご一緒できたことは本当に大きな喜びでした。このプロダクションが、同じようにまた観客の皆様を刺激し、楽しませ、そして感動させるものになることを願っています。そして、7日のプレビュー公演で初めて観客の皆様とこの作品が出会う瞬間を楽しみにしています。

原田美枝子
パワフルで繊細で楽しい、素晴らしい演出のショーンさんが船長となって大航海に出ていく感じです。良い船出ができると思います。ショーンさんは皆の力を引き出してくれるので、こちらもついついエネルギーを出してしまう程、毎日芝居をするのが楽しい稽古場でした。人の心を動かすとはこういうこと事なんだと体感できると思いますので、是非劇場に足をお運びください。

八嶋智人
演出家のショーンさんは演劇的スタミナがすごくあって、稽古の密度もあり楽しいから、ついつい我々もどんどん役に入っていきました。役の関係性が、素の関係性にも入り込んでいくので、八嶋は美枝子さんにメロメロでした。(安藤玉恵さんから突っ込みが入り、「あなたの事は好きなんですけど」と笑わせる場面も )ショーンさんを中心にチェーホフの作品が新しい形で出来上がっていて、我々もつくりながらワクワクしていました。たくさんの人に劇場で体験をしていただけたら嬉しいです。

成河
演出のショーンさんや美術のグレイスさんの発想が刺激的で、そんな考え方や表現の仕方があるんだ!と日々驚きの連続でした。今日のプレビュー公演はショーンさんもいらっしゃるので、まだまだ作品を尖らせて、余分なところも削ぎ落としていけると思っております。お越しいただいた皆様からのご意見もいただいて一緒に作品を作っていただければと思います。

安藤玉恵
演出のショーンさんは稽古中に「Lovely」とか「Well done!」という言葉で導いてくれたのですが、言われるだけでやる気が出てくるし、「Are you happy?」とキャストが聞いてくれるので、演じるのが楽しくてしょうがない稽古場でした。チェーホフの作品は難しいと思われるかもしれませんが、ショーンさんと一緒に理解しやすい作品になったと思います。ぜひ皆さまに見てもらいたいです。

川島海荷
海外の演出家の方とのお仕事は初めてだったのですが、ショーンさんはセリフの語尾など些細な部分から心の中がバレてしまうんです(笑)初めて『桜の園』読んだ時は難しい印象だったのですが、稽古を重ねていくうちにやればやるほど面白い作品になっていきました。私は初舞台が 劇場だったので、成長した姿をみせられるように頑張りたいです。

前原滉
ショーンさんの演出作品に出演するのは今回が3回目ですが、毎回毎回、面白い作品が続いていて、「こういうふうに作品を組み立てていくんだ!」という驚きがあります。今日の稽古でも直前に変更があったりしましたが、どんどん豊かになっていくのを自分でも感じるので皆さんが観たことのない『桜の園』が観られると思います。是非劇場にお越しいただいて楽しんでいただければと思います。

松尾貴史
ショーンさんとの稽古は泉のようにアイデアが湧き出てくるので毎日が驚きの連続でした。公演が続いていく中でどのように成長していけるかがテーマかと思いますので、全国の皆さまにも楽しみにしていてもらえたらと思います。稽古が始まる前に『セールスマンの死』に出演していた鈴木保奈美さんにショーンさんのことを聞いたところ「雰囲気がリベラルでアイデアを採用してくれる」と聞いていたので安心して稽古に臨みましたし、全くその通りでした。

村井國夫
ショーンさんは、言葉の一つ一つの裏を考えて、なぜその言葉になったのかを深堀し、人間の欲望、裏切り、醜いものまでを掘り起こして、我々に演出をしています。日々、深いものを感じさせていただいてるので、これから全公演演じるのがとても楽しみです。自由さと美しさが日々変わっていっているので、参加できてよかったなと思っています。

◆あらすじ◆

外はまだ凍えるように寒い5月。
領主のラネーフスカヤ(原田美枝子)が娘のアーニャ(川島海荷)や同行していた娘の家庭教師シャルロッタ(川上友里)と共に、6年ぶりにパリから帰ってくる。帰還を喜ぶラネーフスカヤの兄ガーエフ(松尾貴史)、養女ワーリャ(安藤玉恵)、老召使フィールス(村井國夫)、管理人のエピホードフ(前原滉)、メイドのドゥニャーシャ(天野はな)や近くの地主ピーシチク(市川しんぺー)たち。留守の間に領地を任せたガーエフには経営の才はなく、ワーリャが取り仕切るも、負債は膨らむばかり。借金返済のため、銀行は8月に領地である“桜の園”を競売にかけようとしている。
“桜の園”の農夫の息子だったロパーヒン(八嶋智人)は今や実業家。彼は桜の木を切り払い、別荘地として貸し出せば、競売は避けられると助言する。しかし、美しい“桜の園”を誇りにするラネーフスカヤとガーエフは破産の危機も真剣に受け止めようとしない。
以前よりエピホードフから求婚されていたドゥニャーシャは、ラネーフスカヤに仕えてパリで暮らしていた召使ヤーシャ(竪山隼太)に惹かれるようになり、アーニャは、大学生であるトロフィーモフ(成河)が抱く新しい思想に触れて、“桜の園”の外で新しい生き方を選ぶことを考え始めていた。
競売まで一か月と迫る中、ロパーヒンはラネーフスカヤとガーエフに、領地を別荘地にして競売を避けるようにと説くが、二人は承知せず、あてにならない話にすがろうとする。
母ラネーフスカヤと共に戻ったアーニャは、同行していた家庭教師シャルロッタの無駄なおしゃべりや手品に退屈していたが、トロフィーモフが抱く新しい思想に触れて、“桜の園”の外で新しい生き方を選ぶことを考え始めていた。
“桜の園”競売の当日にもかかわらず、相変わらず呑気なラネーフスカヤたち。そこへガーエフとロパーヒンがやってきて、競売の結果を報告するのだが……。
来たるべき新しい時代を見据えて変革をいとわない人々。対して、落ちぶれてもなお、過去にすがり現実を見ようとせず時代の波に取り残される領主貴族たち。それぞれが向かう先とは……。

舞台写真

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司

撮影:細野晋司