2009年にTBS赤坂ACTシアターで初めて開催した「志の輔らくご」は、毎年多くのお客様にお越し頂き、今年で12年目を迎えました。芸能の街・赤坂にあり、多くの演劇、ミュージカルが上演されている劇場である「TBS赤坂ACTシアター」だからこそお届けできる特別な落語会、それがTBS赤坂ACTシアタープロデュース 恒例「志の輔らくご」です。しかし、本劇場は2021年より大規模な改修を開始し2022年にハリー・ポッター専用劇場となるため、本劇場での「中村仲蔵」は今年で一旦見納めとなります。
志の輔本人もTBS赤坂ACTシアターでは最後となる、第一部「大忠臣蔵~仮名手本忠臣蔵のすべて~」、第二部「落語 中村仲蔵」を、12年という長い年月に熱い想いを持ち、心を込めてお届けします。
『ミュージカルやコンサートで使われる、落語には広すぎるこの劇場で、どんな落語をすればすべてのお客様に届くのだろうか…。「志の輔らくご」を続ける中、「中村仲蔵」ならば、この大きな劇場にも合う落語になるのでは、と。毎年回を重ねるうちに、いつも新しい発見があり、同じものにならないのが面白い。』
志の輔自身が語るTBS赤坂ACTシアターでの「志の輔らくご」の魅力。それは落語「中村仲蔵」をより楽しんでいただく工夫として、「仮名手本忠臣蔵」全十一段を知っていただくために、第一部を「大忠臣蔵」と銘打ち、それぞれの段の解説を志の輔自らが浮世絵などの映像を用いて行います。歌舞伎を描いた浮世絵は数多くあり、人気演目であった「仮名手本忠臣蔵」を扱ったものもたくさん現存し、そして劇場のどの席からでも物語を視覚的に理解しやすく、大変役立ち、また登場人物たちの描かれ方を、解説付きで見ると、ぐっと理解が深まります。そして、第二部はお待ちかね、落語「中村仲蔵」となります。高座の志の輔を中心に、舞台・照明と、演劇公演さながらに作り上げられた舞台は、観るものの心に迫ります。
これまで落語を聞いたことのない方や劇場に足を運んだことのない方にも、必ず新しい何かに気づかされる、そんな魅力があるTBS赤坂ACTシアタープロデュース 恒例「志の輔らくご」。どうぞお見逃しなく!
落語「中村仲蔵」とは?
「中村仲蔵」は、よく知られた古典落語のひとつです。実在した歌舞伎役者、初代中村仲蔵が登場します。仲蔵は、歌舞伎役者の家の生まれではありませんでしたが、真摯に役に向き合うことを続け、周囲にも認められて、名題という地位にまで出世した有名な役者です。彼を描くために欠かせないのが「仮名手本忠臣蔵」です。元々は文楽の演目で、後に歌舞伎でも人気の演目となりました。今でも、ドラマ・映画と、様々に描かれ、楽しまれている作品のひとつですが、全十一段構成という、とても長い物語でもあります。