三月花形歌舞伎|中村壱太郎、尾上右近、中村隼人 情感たっぷりの扮装写真を公開!

Ⓒ松竹

京都・南座では、3月2日(土)~3月24日(日)まで「三月花形歌舞伎」を上演する。
次代を担う花形俳優の中村壱太郎、尾上右近、中村隼人が出演。
公演に先駆けて3名の情感あふれる扮装写真を公開!

『女殺油地獄』河内屋与兵衛扮する中村隼人  Ⓒ松竹
『将門』傾城如月実は滝夜叉扮する中村壱太郎 Ⓒ松竹
『河庄』紙屋治兵衛扮する尾上右近  Ⓒ松竹

中村壱太郎が勤めるのは、『忍夜恋曲者 将門』の傾城如月実は滝夜叉姫。
妖しくも惹きつけられる美しさと、意味深長な表情からは、滝夜叉姫の強さが垣間見える。
本作は、華やかで美しい踊りや派手な立廻り、最後には屋体崩しと呼ばれる大掛かりな道具で大蝦蟇を従えて登場するなど、スペクタクルに富んだ舞踊劇。舞台と客席が近い南座ならではの空間で、迫力を感じる作品となること間違い無し。また、滝夜叉姫と対峙する、大宅太郎光圀が松プログラムでは中村隼人、桜プログラムでは尾上右近と配役が異なることによる、楽しみも併せもっている。

今年が近松門左衛門歿後30年にあたり、尾上右近と中村隼人が勤めるのは、いずれも近松門左衛門ゆかりの作品。
尾上右近が勤めるのは近松門左衛門の作品の中でも特に芸術性が高いとされる『心中天網島』を素材にした『河庄』の紙屋治兵衛。〈松プログラム〉
扮装写真からは、契りを交わした女性から約束を破られたと思い、前途を閉ざされた男の悲しいさまが漂います。今回、中村鴈治郎指導のもと、紙屋治兵衛を勤める右近。そして、粉屋孫右衛門を隼人、紀の国屋小春を壱太郎と三つ巴で、上方和事の世界観を体現するとあって、期待せずにはいられない。

中村隼人が勤めるのは近松門左衛門の作品の中でも初演からしばらく上演されなかったという逸話をもつ『女殺油地獄』の河内屋与兵衛。〈桜プログラム〉
憂いを帯びた目つきで油樽を手に持ち、影を背負った姿は、のちに起こる悲劇を予感させる。片岡仁左衛門が監修を勤め、豊嶋屋七左衛門に右近、お吉に壱太郎という清新な配役で上演する。若者の心理や親の情、殺しの場面など、繊細な心理描写が胸を打つ、片時も目を離せない作品だ。
毎回、南座の「三月花形歌舞伎」は、歌舞伎の古典作品を上演し、これまで歌舞伎をご覧になったことが無い方にも、歌舞伎好きの方にも“歌舞伎”を満喫していただけるよう、趣向を凝らしている。今回も、それぞれカラーの異なる3作品により、歌舞伎の多面性をお楽しみいただけるだろう。

中村壱太郎、尾上右近、中村隼人の活躍著しい、次代を担う3名による公演に乞うご期待!