舞台『刀剣乱舞』2020年夏新作公演 和田琢磨 インタビュー

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刀剣男士・歌仙兼定が新たな刀剣男士たちと雅に出陣

 

舞台『刀剣乱舞』シリーズ、通称・刀ステの最新作で一番に出陣が発表されたのは、歌仙兼定。三十六歌仙にちなんで名付けられたとされる刀剣らしく雅を好み、優美な姿かたちをもつ刀剣男士だ。
2017年に上演された『義伝 暁の独眼竜』以来、刀ステで歌仙兼定を演じている和田琢磨もまた、落ち着いた物腰とウィットに富む会話術を併せ持った風雅な役者である。

和田「今作のお話をいただいたのは去年の暮れ頃。冗談半分でずっと“僕も近侍(きんじ)になる!”と言っていたら、主演というお話をいただきまして。言ってみるものだなと思いました(笑)」


名立たる刀剣が戦士の姿となった刀剣男士とともに、歴史改変を目論む歴史修正主義者から歴史を守るために戦う刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(DMM GAMES/Nitroplus)を原案にした人気舞台。シリーズ出演4作目にして主演を務めることになった和田は、座長としての責任を感じつつも、自然体を強調した。

和田「刀ステで刀剣男士を演じている役者の中だと、僕も年長組ですね。三日月宗近役の鈴木拡樹くんと小烏丸役の玉城裕規くんと同い年です。彼らは役者としても人間としても魅力的で、多くを語らずともその背中から周りが学ぶようなタイプ。僕はというと……今回ばかりは周りからも“座長”と言われるでしょうし、見られている意識は持っていようと思います。本音を言えばずっと後輩でいたかったですけど(笑)。ただ主演を務めることは初めてではないので、自然体でいられたらいいなと思います。脚本・演出の末満健一さんとも、しっかりお話をして作品の色を共有できたら」


歌仙兼定は戦国武将・細川忠興が所持していた刀であり、前述の三十六歌仙に由来する名前も忠興が三十六人の家臣を手討ちにしたことに拠る。文化を愛でる一方で気性の激しさも目立つ忠興を元・主とする歌仙兼定を、和田は
「不器用なところが魅力でもある」と語る。

和田「人見知りで、誰かと足並みを揃えることが苦手。でも刀ステでは回を重ねていくごとに、立ち位置を確立させているように思います。“自分がどうであるか”ばかりだった初期から、徐々に“この本丸(=刀剣男士の本拠地)のために”という行動が増えているので。最新作でも彼の視野を広げる物語が待っているのではないかと期待しています」


少しずつ明かされる作品の情報にドキドキさせられているのは和田も同様。次に発表されたのは、梅津瑞樹が演じる山姥切長義の出陣だった。

和田「このまま次の出演者が発表されなかったら、梅津くんとの二人芝居かな?と思っていました。“僕らの時だけ他に誰もいないだなんて、どうなっているんだ!”と、二振りなら怒りそう(笑)」


4月の始め、無事に出陣する刀剣男士たちが発表された。歌仙兼定が中心となる今作はどのような内容になるのか。期待があふれる。

和田「前作の『維伝』を観劇したのですが、ものすごく素敵なお話で、舞台『刀剣乱舞』は、まだこんなに可能性があるんだと感じました。その上を目指すのはハードルが高いことではありますが、どんどん挑戦して舞台『刀剣乱舞』の新しい魅力を届けていきたい。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います」

 

インタビュー・文/片桐ユウ

 

※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載

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【プロフィール】
和田琢磨
■ワダ タクマ ミュージカル『テニスの王子様』シリーズ、舞台『刀剣乱舞』シリーズなど数多くの舞台に出演。BSフジで放送中のドラマ『CODE1515』に出演中。