高野 洸 ©ALG2023
「ライブエンターテインメントの楽しさと興奮を観客の皆様と分かち合いたい」という想いから生まれた、俳優プロデュースの『ACTORS☆LEAGUE』プロジェクト。2023年もゲーム、野球、バスケの開催が決定し、このスタートを切るのは、ゲームを深愛する俳優・高野 洸プロデュースの『ACTORS☆LEAGUE in Games 2023』。6月19日(月)、日本武道館という新たな舞台に、新チーム&新メンバーを迎え、ゲームを愛する俳優たちが集結し、熱いゲームバトルを繰り広げる。昨年のリベンジに燃え、王座を狙う「King Squad」リーダーでもある高野 洸、そして、総合演出の植木 豪に、『ACTORS☆LEAGUE in Games』の魅力を大いに語ってもらった。
──2年目となる今年、新しいプレイヤーも増え、さらなる盛り上がりが予想されます。先先立って行われた会見のマニフェストで、高野さんが「驚」という文字を掲げていましたね
高野 僕らもそうですが、去年はお客さんにとっても初めてのイベントで、何もかも分からない状態で観ていて驚きもあったと思いますが、今年はさらに驚きの演出が盛り込まれた内容を考えています。今年は2回目だからこそ新しいことに挑戦していきたいなと思っていますし、ゲーム×エンターテインメントで生み出せる驚きをみなさんに与えていきたいなと思いながら、いま作っています。
──高野さんが考える“驚き”をどう表現するか、演出面に関して、植木さんに細かく相談をされるのですか?
植木 相談というか、洸くんがかなりいろんなことを考えているので、いま打ち合わせをしながら、洸くんのアイデアを全スタッフでどう形にできるかを考えている、という感じですね。前回は、洸くんが考えたこと+ゲームの戦いでドラマが生まれたんですけど、今回は内容面で新しい仕掛けをいっぱい考えているので、前回以上に熱いドラマになるんじゃないかなと思っています。
──植木さんが『ACTORS☆LEAGUE in Games』を演出する上で一番大事にしているのはどんなことですか?
植木 一番は、洸くんがプロデューサーとしてやりたいことを形にするってことですね。2022年は、最後に向けてどんどん盛り上がっていったので、今回もそうなったらいいなと思っています。現時点で計画していることだけでも、観に来てくれたお客さんが、エンタメとしてゲームを楽しめ内容になっていると思います。洸くん、本当にめちゃくちゃ細かく考えてくれているんですよ。
高野 でも、ステージでどこまでできるかという限界を知らなければ、実際に何ができるか僕には分からないので、そういう時は豪さんに、「こういうことってやれるんですか?」って聞いています。そこで、1つ質問すると3つくらいアイデアが返ってきたりするので、さすがだなと思いますし、やっぱり豪さんだからできる演出っていうのはありますよね。
──お二人の間に、絶大な信頼感がありそうですね
植木 前回からすごかったんですよ。1回目であれだけいろいろ細かく、ほぼ台本に近い状態で出してくれるから、こう言っちゃなんだけど、僕は楽なところもあるんです。そんなに考えてくるの?みたいな。全キャストのことと、お客さんのことを細かく全部見てくれているというか。自分がこれをやりたいっていう主張だけじゃなく、いろんな方のことをすごく考えているので、多分、出ている役者も楽しいんじゃないかな。
──高野さんはアーティスト活動でセルフプロデュースもされていると思うのですが、「自分以外の人も一緒にプロデュースをすることの大変さを知った」ということも、他でお話しされていたかな、と。実際、どの辺が一番大変でしたか?
高野 その人の気持ちになって一回立ってみないと分からないことがあったり、つじつまが合わなくなったりしていくので、相手の立場になって考えるというのは大事にしたいとずっと思いながらやっていました。みんな個性豊かで、面白い方々ばっかりで、本当にエンタメ好きの方がたくさん集まっているので、もったいないなって思うぐらい(笑)。役者の方も、あの場で、もっともっとやりたいことがいっぱいあるだろうなと思うけど、時間は限られているし……って。たしかにプロデューサーとして大変なことも多いですけど、やりたいことはいろいろ出てきます。
──ところで、高野さんは本当にゲームが好きだとおっしゃっていましたが、植木さんから見ても、やっぱりよくゲームをしているなぁという印象ですか?
植木 いや、マチソワ間の息抜きの時ぐらいじゃないですかね。稽古中とかも、休憩時間にちょっとのぞくくらいはしていると思うけど……。
高野 ……いや、めちゃくちゃしてますよ(笑)。
──高野さんから植木さんに、「このゲーム面白いですよ」みたいにプレゼンされることは?
高野 しないですね。でも、豪さんがあるゲーム一筋なのを知っていて、それが発売したので、オンラインで一緒にやったんです。豪さんがずっとやっているゲームなので、僕は教えてもらいながらって感じで。マジで強いんですよ(笑)。ただ、僕は家に帰ってすぐプレイしちゃうんですけど、豪さんは仕事が終わって夜遅くに入ってくるので、遅い時間まで忙しそうだなと思っています。豪さんも息抜きでゲームをされる方で良かったなと思いました(笑)。
植木 今はまだ舞台終わった後も打ち上げできないじゃないですか。普段から、必要以上のコミュニケーションが取りにくい状況だけど、家に帰った後、役者さんとバーチャルな世界ではあるものの、コミュニケーションが取れるっていう。それがすごく良くて。稽古場で別れた後に、役者さんとまた会えるんですよ。ゲームって、こういうことができるいいツールなんだなと思って、毎日楽しかったですね。新しい発見というか。僕、ゲームはあんまり人とやってなかったんですよ。延々と一人でやるタイプで(笑)。でも、僕がやっていたゲームも、最初は洸くんに教えていたけどすぐに追いつかれましたね。めちゃくちゃ上手。
高野 まだ追いついてないですよ(笑)。
植木 最近の子は、ゲームを普段からやっているから覚えるのもすごく早いんだなって。あと、ゲーマーは違いますね。細かいことを逆に教えてくれだして(笑)。教えてもらったようにやると、なるほど、こういうふうにも楽しめるんだってことがありましたね。ゲームをもっと面白くしてもらえるというか。僕も『ACTORS☆LEAGUE in Games』に関わるにあたって、『ボンバーマン』とか、いろんなゲームをやってみました。僕なんかは昔、ゲームが欲しくても買ってもらえなくて、大人になってから始めたけど、今の若い世代の人たちは、スマホのアプリと連動するとか、いろんな楽しみ方ができるんですよね。それを教えてもらっています。
──お二人の間でも、ゲームがコミュニケーションツールのひとつになっているのですね。では、昨年を振り返って、印象的なエピソードがあれば教えていただけますか?
高野 最後、感極まっちゃって、すごく目頭が熱くなっていたんですけど、耳元で豪さんが「よく頑張った」って言ってくれて。僕だけイヤモニをしていたので、僕にだけ豪さんの声が聞こえていたんです。それがとても印象に残っています。試合が終わって客席の拍手とか、みなさんが手を振ってくれているのを見ながら、僕も豪さんも大変だったな、この一日のためにすごくいろいろ作ってきたなって思っていたら、そんな言葉をかけてくれて、僕は本当に感動しました。
植木 洸くん、めちゃくちゃ背負ってたと思うんです。さっきも言ったけど、役者さん一人一人がどこでどう出てとか、みんながどうすれば主役としていられるか、お客さんはゲームをやらないけど、どうやって楽しんでもらったらいいか……って、ずっと考えてたんですよ。当日もすごい戦いだったと思うし、プロデューサーってやっぱりすごく大変な立場だと思うんです。それが終わって最後、洸くんを見たらめちゃくちゃ輝いていて。お客さんも本当に心からの拍手をしてくれていたので、僕もすごく感動しました。役者のみんなも一生懸命やってくれたからこそドラマが生まれて、素敵な一日を洸くんがみんなにプレゼントして、みんなからもプレゼントをもらって。そういう瞬間、時間、空間を一緒に味わえるって、あんまりないじゃないですか。その想いが言葉になって出ていましたね。
──ブレイヤーと観客の一体感が生んだドラマですよね?
植木 とても素敵でした。みんなマジでやってたし、リーダーもみんなチーム一丸となって盛り上げようって全チームがやっていたし。解説の方も含めて、みんなすっごい楽しそうにしていたので、役者じゃない一面を見られたし、そういう姿を見たくて来ていたお客さんも多いと思うんですよね。
高野 今思い出したんですけど、アーカイブで観た時、Legend GamerのKEN THE 390がラップで説明してくれるパートが、すごくかっこよすぎてびっくりしました(笑)。そのパートの演出は豪さんに委ねていたので、あんなに作り込んでくださったと思っていなくて。本当にかっこよくて、普通にファンとして観ていたって感じです(笑)。
──今回、1チーム増えて、全5チームが出場します。各チームの設定と特徴を簡単に教えてもらえますか?
高野 まず、僕がいる「King Squad(キングスクワッド)」の特徴は、“運の強さ”。他のチームが個性豊かなので、西風高校は王道に、真っ向から勝負していくチームとして、僕は考えています。その運の強さを武器にして、試合に風を吹かすっていう感じのチームですね。まっきーさん(荒牧慶彦)率いる「ロイヤルプレデター」は、高貴な学校で育ちも良く、ゲームのプレイスタイルも上品。だけど、お金を使っていろいろしてしまう……いわゆる、お金に物を言わせる高校です(笑)。(阿部)顕嵐がリーダーの「ダウンタウンNuts」は、ヤンキーに憧れがあって、ゲーマーとして育ってきたメンツが集まっています。プレイスタイルも荒々しいし、ガン攻めタイプで、ゴリゴリとしたチームですね。昨年優勝した「Psycho-Crusher(サイコクラッシャー)」は(北村)諒くんがリーダーで、チームのテーマが“電脳”。めちゃくちゃ頭が良くてハッカー集団のようなチームで、ハッキングしたり、バグを見つけたりとかしながら戦う人たちなんですけど、前回の試合では普通に戦って優勝してました(笑)。
植木 すごい戦い方してたよね(笑)。
高野 『ボンバーマン』の逃げの上手さが光ってましたよね(笑)。
高野 最後に、(三浦)宏規がリーダーの「Grudge Orca(グラッジオルカ)」が今回新たに参戦します。元々は西風高校にいたメンツで、去年、King Squadとして出なかった4人なんですけど、いろいろな因縁があって、“King Squadを潰す”という目的で宏規が立ち上げたチーム。西風高校への憎しみを力に変えて、「今回は俺らが王者になる」という気持ちで参戦してきた高校です。
──野球愛がすごいので意外でしたが、三浦さんはゲーマーでもあるのですね
高野 宏規はゲーマーですね。ただ、ゲームはハマっちゃうという自覚があるからあんまりやってないって感じでした。いろんなゲームを一緒に軽くやるんですけど、僕とほぼ互角だし、すぐ攻略法を見つけますね。めっちゃ上手いです(笑)。あと今回、Psycho-Crusherは殿堂入りということで、解説をやってもらうんですけど、すごく細かいところまで解説をしてくれそうだなって思っています。今年は本当に面白い人たちが集まったので(笑)、それだけでも去年と必ず違う内容にすることができるって確信しています。
──対戦ゲームも発表されていますが、ゲームのセレクトも高野さんですか?
高野 いろんな方からアイデアをもらったり、自分でも探してみたりしながら、今年はどうしようかずっと考えていたんですけど、このラインナップに決まりました。
植木 僕は全然詳しくないけど、でもゲームに詳しくない人間が観ていても面白いゲームが揃っていると思います。僕、あまり観たことなかったけど、『ACTORS☆LEAGUE in Games』をやることになって勉強しだして、生で観るのは初めてだったんです。でも、「eスポーツ」って言われる理由が分かりましたね。みんな熱くて、体力削れるぐらいの戦いが多かったので、観ていてすごく面白かったです。
──ちなみに、「奇奇怪怪盗団」の有澤樟太郎さんと牧島 輝さんについて、少しだけヒントをもらっていいですか?
高野 二人が立ち上げたチーム……という設定で、本当に奇奇怪怪なことを好む二人で、物を盗むといっても普通に盗むのではなくて、そこにはちゃんと何か目的がある。とにかく奇怪なことを起こす人たちなんです。今回、ストーリーの途中で出てくるんですけど、プレイヤーが何かのアクションを起こすきっかけとなる人たちで、おそらく、参加チームを大きく動かす存在になるんじゃないかなと思っています。
植木 この二人の演出に関しては、洸くんが9割考えてくれています(笑)。でも、今説明してくれたプロットの時点でエグくないですか?アーティストをやっているからこその演出と、役者さんをやっているからこその中身の面白さみたいなのが、洸くんならではのエンタメの見せ方なんだなって思うんです。
──いろんな面を持ってらっしゃるから、多岐に渡った見せ方ができるのですね。奇奇怪怪盗団のお二人はプライベートでも仲が良いので、何を起こすのか楽しみです(笑)
高野 ですよね(笑)。アドリブの部分もめちゃくちゃ儲けたいなと思いつつ、でも、それだけになるとすごくふざけちゃいそうだなって(笑)。お二人とちょっと話もしていて、こういうことをやろうと思っていると伝えたら、「楽しみにしてる」と言ってくれました。
──高野さんと植木さんが注目しているプレイヤーを教えていただくことはできますか?
植木 廣野(凌大)くんは前回大暴れしていたので、今回もやってほしいなって思います(笑)。個人的に気になっているのは、一緒にゲームをやった、松田(昇大)くん、荒牧くん、顕嵐くん。これに向けて練習してきてそうだなって。(本田)礼生くんも前回めちゃくちゃ上手かった。あとは、spiがコントローラーを壊さないか、だね(笑)。
高野 (笑)。僕は、やっぱりGrudge Orcaのメンバーですね。宏規と(北園)涼くんとspiさんは一緒にゲームしたことがあるんですけど、全員上手い。spiさんは、繊細なプレイをされるんですよ(笑)。それに、こっちのコードをめちゃくちゃ読んでくる。ただ、(加藤)大悟だけは、マジで未知数。現時点で僕的には、大悟と(増子)敦貴が同じようなポジション(笑)。あまりゲームやってなさそうな二人がどう波乱を起こすかって感じですね。
植木 あらためて、「洸がやるなら」って、役者みんながついてきてくれる説得力がすごいですよね。『太鼓の達人』にしてもそうだけど、僕も一緒にゲームやっていて、「そりゃあ、ゲームのプロデューサーにもなるわ」と思いました(笑)。みんなが納得する“ゲームのプロデューサー”で、かつ“リーダー”っていうのが面白いし、いいですよね。
──『ACTORS☆LEAGUE in Games 2023』への意気込み、観てくれる方へのメッセージをお願いします
植木 ゲームをやったことある方も、やったことがない方も、このメンバーだからこそ、洸くんプロデュースだからこそ見られるエンタメが、ここにたくさん詰まっています。舞台でもライブでもない、みんなで作り上げる新しい試合、他で見られないエンタメを楽しんでもらいたいなって思います。あと、結末も決まってないので、その日、みなさんの応援で変わってくると思うので、そのあたりもぜひ楽しんでもらいたいですね。
高野 去年に続いて、2回目が開催できることが本当に嬉しいですし、こんなに豪華なメンツが集まってくれたことがすごく嬉しいです。僕はプロデューサーをやらせていただいていますが、いろんなことを考えながらずっとワクワクしていて、「楽しい!」という感情しかないので、本当に贅沢な立ち位置だなと思っています。僕も本番参加させてもらうので、1チームのひとりとしてしっかり頑張りつつ、ゲームの試合に関して台本はないし、誰がどうやって奇跡を起こすかわからないので、僕自身もそれを楽しみにしてます。今回も奇跡はきっと起こると思うので、観てくださる方全員がゲームに入り込んでほしいなと思っています。みなさんの応援が絶対的な力になって、プレイに影響したり、背中を押してくれたりする力になっていると思うので、声を出して応援してください。
──最後にひとつ。2021年から始まった『ACTORS☆LEAGUE』プロジェクトが、前回のバスケまで、「プロデューサーのいるチームが優勝できない」というジンクスが続いているようですね
高野 そうなんですよ。過去4回行われてきた『ACTORS☆LEAGUE』で、野球2回、ゲーム、バスケ……全部プロデューサーのチームが負けてるんですよね。
植木 そうなんだ!?プロデューサーとして、他にちょっと気を遣うからかな(笑)。でも、前回は洸くんのチームがすごく惜しかったんです。(福澤)侑くんもめちゃめちゃ粘って残ってたけど、惜しかったよね。
高野 僕、去年準備している段階では「優勝しなくていいや」と思っていたけど、ステージに立って試合をしていたら本当に優勝したくなって。それで、メンバーとガチで作戦会議もしていたんですけどね……。
──去年の試合の雪辱を晴らしつつ、やっとプロデューサーチームが勝ちましたというスタートを切りたいですね!
高野 そうなれるように頑張ります(笑)。
インタビュー・文/佐藤則子
【プロフィール】
高野 洸
■たかの あきら
1997年7月22日生まれ・福岡県出身
植木 豪
■うえき ごう
1975年12月15日生まれ・福岡県出身