【観劇レポート】宝塚歌劇 月組公演 三井住友VISAカード ミュージカル 『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』

8/24(金)兵庫県・宝塚大劇場で宝塚歌劇 月組公演 三井住友VISAカード ミュージカル『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』が開幕した。

 

『エリザベート』は1992年にオーストリアのウィーンで初演、稀有な美貌の持ち主であると同時に、自由奔放な生き方を求めた少女・エリザベートがオーストリア皇后となったことから辿る数奇な運命を、彼女を愛する黄泉の帝王トート(死)という抽象的な役を配して描いた独創的なストーリーと、美しい旋律で彩られた楽曲で綴った、高い音楽性を持つミュージカル。宝塚歌劇では1996年の初演以来、多くの人々を魅了し続けてきた人気演目の1つであり、今回の月組公演が記念すべき10回目の上演となる。

再演を重ねる度、生み出されるそれぞれのトート像。制作発表会の際、トートについて「この物語の中で、彼が一番純粋で、人間らしいのではないか」と語っていたトップスター・珠城りょう。珠城が演じるトートは、包容力に満ちた力強いトートであった。エリザベートを深く愛し、彼女の不安定な心を受け止める強く大きな愛に、歴代のトート像とはまた違うアプローチを感じた。

本公演での退団が発表されているトップ娘役・愛希れいかのエリザベートは、ハツラツとした少女時代からラストシーンまで、本当に“エリザベート”として生きているようだった。3時間の公演時間の中で歳を重ねていく難役だが、愛希は、その年齢毎の、明るさ、悩み、不安など、すべてを丁寧に表現し、エリザベートの人生を繊細に演じきった。まさに愛希のトップ娘役としての集大成である。

兵庫県・宝塚大劇場公演は10/1(月)まで上演中。東京宝塚劇場公演は10/19(金)から11/18(日)まで上演される。