『ダイヤのA』 The MUSICAL 糸川耀士郎 インタビュー

©寺嶋裕二・講談社/「ダイヤのA」The MUSICAL 製作委員会

甲子園を目指す球児たちの汗と涙をミュージカルで描く

 

『ダイヤのA』 The MUSICALの上演が決定した。原作は寺嶋裕二が描く同名の高校野球漫画。現在、週刊少年マガジンにて第二部『ダイヤのA actⅡ』が好評連載中、アニメ化や舞台化もされた人気作だ。
今回は初のミュージカル化。演出・脚本は劇団『悪い芝居』代表の山崎 彬。音楽ユニット『GARNiDELiA』として活躍するtoku from GARNiDELiAが音楽、ダンスエンターテインメント集団『梅棒』の塩野拓矢が振付を担当する。
主人公・沢村栄純役を演じる糸川耀士郎は
「この熱い世界に自分が入っていくのだと、ワクワクが止まらなかった!」と、期待に胸を膨らませる。

糸川「お話を頂いたときは、“自分に沢村栄純としての説得力が出せるのだろうか”と不安な気持ちもありました。でも原作を読み進めるうちに、栄純の真っ直ぐさやどんな困難にも愚直に突き進んでいく姿に、大きな勇気をもらったのを覚えています。僕も栄純のように、前向きな気持ちで何でもトライしていこうと思うようになりました。自然と栄純に自分を重ねていたのかもしれません」


栄純は大きなポテンシャルを秘めた投手。中学最後の一球で、バックネット直撃の大暴投をして敗退となるが、その試合をキッカケに野球の名門・青道高校野球部からスカウトを受ける。エースとして甲子園に行くことを決意した栄純と、高校で新たに出会う仲間たちとのドラマ、そして白熱の試合展開が“ミュージカル”としてどのように描かれるのか、注目が集まる。

糸川「歌や身体表現が重要になると思うのですが、その要素と真っ直ぐで熱いこの作品がどんな化学変化を起こすのか。熱いナンバーや繊細な気持ちの揺れ動きを表現する曲がきっとあると思います!“全力投球×繊細さ”という、一見相反しているテーマを掛け合わせることは新たな挑戦でしょうし、僕も楽しみにしている部分です」


糸川にとって、所属している「劇団番町ボーイズ☆」以外で初めての主演作。

糸川「舞台で演じる役は“縁”だと常々思っています。だから今、このタイミングで主演を演じるということも“縁”。挑戦しないといけないことや、乗り越えなければいけない壁が目の前にあるのだと思います。元々、僕がこの業界に入ったキッカケは歌なので歌唱は得意な方なのですが、それ以上に台本やキャラクター、この作品と真摯に向き合うことで、“糸川耀士郎にしか演じることのできない沢村栄純”を生み出したいと思っています。他と比べることなく、僕は僕で」


スポーツを題材とした舞台作品の良さは
「青春の感覚を共演者と一緒に共有しながら稽古をして、本番を戦い抜く」ところにあると語り、「他では味わえない楽しさがあるように思います」と明かす糸川。自身も小さい頃から大のスポーツ好きで、バスケやサッカー、水泳と様々な習い事をしてきたそうだが、意外にも野球は初挑戦。「これから野球に打ち込んで、野球の魅力にどっぷり浸かりたい」と意気込む。

糸川「2.5次元の作品はたくさん存在していますし、この作品は前に舞台シリーズにもなっています。その中でミュージカルとして『ダイヤのA』の世界を表現することの意味をしっかりと伝えたい。作品をより愛していただけるように、さらに演劇って素晴らしいなと思っていただけるように、稽古に励み、全力でぶつかっていきます!僕たちが創るこの作品をダイヤの様に輝かせたいです」

 

インタビュー・文/片桐ユウ

 

※構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載

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【プロフィール】
糸川耀士郎
■イトカワ ヨウジロウ 劇団番町ボーイズ☆メンバー。舞台『黒子のバスケ』『憂国のモリアーティ』ミュージカル『刀剣乱舞』など数多くの2.5次元舞台に出演。