第一生命 D.LEAGUE 22-23|神田勘太朗インタビュー

3シーズン目のD.LEAGUEはVS方式で楽しみ方が広がる

2024年のパリ五輪でブレイキン(ブレイクダンス)が正式種目になるなど、ダンスへの注目度は高まっている。2020年に始動した、世界でも類まれなプロのダンスチームが競い合うD.LEAGUEは、10月2日から3シーズン目に突入する。初年度から2チームが増えてさらに白熱した2年目は、チャンピオンシップ出場にワイルドカードを導入し、よりスリリングな展開になった。

自らもダンサーとして活躍するD.LEAGUE代表の神田勘太朗氏に、まずは2シーズンを終えた手ごたえを聞いた。

神田「コロナ禍での1期目は、ダンサーを見守るのは離れたところにいる審査員だけ。観客の反応を頼りに踊るダンサーにはやりにくさもありました。2期目は東京ガーデンシアターに主戦場を移し、ようやく有観客で開催できました。歓声は出せなくても熱量の交換ができるため、ダンサーのパフォーマンスの質やダイナミズムが格段に上がったと感じましたし、ワイルドカードの導入でどのチームも最後までチャンスがあるので、いい緊張感を保てたと思います。と同時に、シーズンを戦う意味について改めて考えさせられました。

お客様がジャッジに参加できるのは、他の競技にはないD.LEAGUEの魅力。ですが、速さや強さなどを競うスポーツと異なり、数値化できない部分も評価につながるエンタテインメント・スポーツの採点に難しさも感じます。生まれたばかりのリーグなので、ファンもダンサーも納得できる着地点を一緒に探していければと」

競技場で躍動するパフォーマンスを観戦できるほか、D.LEAGUEは配信にも注力。ダンスパフォーマンスを創るディレクターが、配信動画のカメラ割りを指示するなど工夫を凝らしている。

神田「配信はいつでもどこでも、何度でも見られるのが利点。D.LEAGUEを応援してくださるファンは、若い世代が中心なので動画との親和性も高く、自分なりの楽しみ方を見つけていただいていると感じます。たとえば、会場にお越しいただいているお客様のなかには、スマホを片手に配信映像を見ながら観戦する方も少なくありません。推しのグループやダンサーを間近に見たいときは配信でじっくり見て、ライブ会場でその熱気や臨場感を楽しんでいるのかなと。もちろん、遠方で会場にいらっしゃれない方も十分に楽しんでいただける映像になっていると思います」

10月から始まる3期は、1チーム増えて12チームで闘う。ラウンド毎に2チームが対戦し勝敗を決めるVS方式に変更となり、さらに熱を帯びたパフォーマンスが期待できると神田代表は胸を張る。

神田「当初想定していた12チームが揃い、競い方もチャンピオンシップのように2チーム同士が競い勝敗を付けるVS方式に変わります。同じチームとは1年に1回しか対戦できないので、各チームはより集中して準備するでしょうし、スタメンメンバーや衣装も含めて作戦の立て方も綿密になるでしょう。お客様には自分の推しとは違うチームのジャッジもしていただくことになるので、ダンスの見方や楽しみ方がますます広がるのではないかと。お客様の声をうまく運営に生かし、魅力的な要素を増やしていくのでどんどんD.LEAGUEにハマっていただきたいです」

インタビュー・文/橘川有子 
Photo/篠塚ようこ

※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】

カンダ カンタロウ
■’79年生まれ。ダンサーとして活躍し、現在は日本発のプロダンスリーグを運営する株式会社DリーグのCOOを務める。