第一生命 D.LEAGUE│ROUND.3 観戦レポート

ⓒD.LEAGUE 22-23
写真は、Benefit one MONOLIZ のパフォーマンスより

各チームが生み出す、世界トップレベルで個性的なパフォーマンスを楽しもう

日本発のプロダンスリーグ「Dリーグ」が、11月2日(水)に有明ガーデンシアターにて22-23シーズンのROUND.3を開催した。今シーズンから1チームが新規参入したほか、バトルやジャッジの形式も大きく変化し、より見る楽しみが増えたDリーグは実際どのようなものなのか。本レポートでは、中盤戦への行方を占うROUND.3の模様を振り返りつつ、注目すべきDリーグの魅力を紹介する。

まず、1つ目の魅力は新しいダンスパフォーマンスを楽しめるということ。全12チームによる個性豊かなパフォーマンスが披露されたが、なかでも目が覚めるような世界観を披露したのがBenefit one MONOLIZ(上記掲載写真)とLIFULL ALT-RHYTHMの2チームだ。

LIFULL ALT-RHYTHM

MONOLIZはファラオとクレオパトラをテーマにしたダンスを披露。金色の煌びやかな衣装と炎色のフラッグを用いた妖艶な世界観で審査員と観客を魅了し、テーマ性を大きく推し出したパフォーマンスが評価され、1-5で正統派のヒップホップを踊ったValuence INFINITIESを下した。

Valuence INFINITIES

一方、ALT-RHYTHMは、ROUND.3で1番のインパクトを残したように思える。シーズン中3回のみ起用できるスペシャルダンサーの大役を担った大野愛地は、銀色の衣装に身を包みステージへ。ヘッドスピンのギネス世界記録を持つ超絶スキルを存分に発揮し、全編ヘッドスピンでひたすら回り続けるという離れ業を披露した。他メンバーも目に白い布をかぶせたインパクト大な衣装のまま、フォーメーションを一切乱さない精密なダンスを披露し、SF感あふれる世界観を表現した。既存のジャンルをベースに、衣装や小道具、照明や音楽を加えることで、ここでしか見られない、全く新しいパフォーマンスをその目で楽しめるのがDリーグの魅力ではないだろうか。

2つ目の魅力は、世界トップレベルのダンスが楽しめるということ。今回のROUND.3に出場した選手のなかで最も注目を集めたのがShigekixだろう。ブレイクダンスの世界的大会であるRed Bull BC One World Finalで史上最年少18歳での優勝をはたし、2024年のパリオリンピックの新種目として注目される「ブレイキン」の日本代表候補でもあるShigekixは、今回KOSÉ 8ROCKSのSPダンサーとして出場。

KOSÉ 8ROCKS

世界レベルのブレイキンを披露し会場を大いに沸かせたが、先述の作品全体の世界観とインパクトのあるパフォーマンスで勝負したALT-RHYTHMに敗北。ダンスのスキルだけでは勝利につながらないところもDリーグのおもしろさだ。そして、残り9ラウンドでどのようなトップ選手が出場するのかにも注目すべき点だろう。

3つ目の魅力は1試合の結果で大きく順位が入れ替わる可能性を秘めているということだ。事実、3戦目に出場したここまで未勝利のKADOKAWA DREAMSは、これまでの鬱憤を晴らすかのような熱いストリートダンスを披露。

KADOKAWA DREAMS

圧巻のパフォーマンスで判定0-6の勝利を掴み、票を独占した時にのみ与えられるSWEEPポイントも手に入れ、順位を2つ上げた。たった1試合で大きく順位が変わる形式のため、苦戦を強いられているチームにも希望の光が常にある。チャンピオンシップへと進出できる上位6チームに入りこむべく、残りの9ROUNDはさらなる熱いパフォーマンスが楽しめそうだ。

構成・文/中野皓太

※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載

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