ローチケ演劇部presents はじめてのミュージカル「今月のあの人の“今キニナル”」第15回:藤原さくら

劇団旗揚げ39周年を祝う“39(サンキュー)興行”春公演、いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』をツアー中の劇団☆新感線。生田斗真を主演に迎えた本作は、昨年3月に大阪公演からスタートし、4月には金沢・松本にて上演。その各地で絶賛の声があがった話題作が、今年2月15日~3月24日まで東京・TBS赤坂ACTシアターで、4月4日から28日までは福岡・博多座にて最終公演を行う。


その記念すべき作品で初舞台を踏んだシンガーソングライターの藤原さくら。そんな彼女が、舞台のキャンペーンにて福岡を訪れた際、初舞台への思いなどを語ってくれた(詳細はローチケ演劇宣言本編に掲載)。その中で、昨年のオフに
ニューヨークへ訪ねたという話題に。実はミュージカル好きで、ブロードウェイにも足を運び、2019年度のトニー賞に輝いた「ハデスタウン」(※1)等たくさんのミュージカルを観劇したという。


――今まで見た中で一番好きなミュージカル作品は?

昨年ニューヨークに行った時、ブロードウェイでもミュージカルをたくさん観ました。どれもとても面白かったのですが、今一番好きなミュージカル作品は?と聞かれたら、その時に観た『ビューティフル』(※2)でしょうか。キャロル・キング(※3)の生い立ちをなぞっていくんですが、とにかく、ずっと歌っている感じで。もちろん全編英語ですが、英語も分かりやすかったですし、彼女の詳しい生い立ちまでは知らなかったので、感動して泣いてしまいました。観ていてすごいなと思ったのは、姿も声も本当にご本人のような方がキャスティングされて演じていたこと。歌にも演技にも迫力がありましたよ。ぜひ日本でも観たいです!それから、向こうのお客さんたちの反応が大きかったのも印象的でした。ずっと隣で大爆笑している人がいたりして、日本ではあまり見られない反応だったから、そこは海外ならではだなと。


――いつかはミュージカルに出てみたいと思ったりは?

どうでしょうか?出来る気が…(笑)。ミュージカルに触れてみて思うのは、『偽義経冥界歌』で私が歌っているのとはまた違ったアプローチで演じないといけないから、ミュージカルって難しそうだなと。でも楽しそうですよね!

 

父親の影響もあり、自身も幼少時代から自然と音楽がある環境に身を置いていたからだろうか?やはり“歌”が大好きなようで、ミュージカルは彼女にも魅力的な世界であることには間違いなさそう。そんな藤原がブロードウェイでミュージカルを見て気づいたことがあったそうで――

海外の方たちの演技の迫力のスゴさはもちろん感じたんですが、同時に改めて思ったのが「劇団☆新感線ってすごい!」ということでした。新感線はブロードウェイでは見られない細かい仕掛けが、演出にもセットにも散りばめられていて、脱帽しました。海外作品を見て日本の良さも知る。そんな感じでした。


歌の世界はもちろん、昨年からは舞台という世界にも挑戦している藤原さくら。ブロードウェイでは、海外の作品の良さを知るとともに改めて劇団☆新感線のおもしろさを実感したようだ。そんな彼女が『偽義経冥界歌』ではどんな表現をみせてくれるのか楽しみで仕方ない。ステップアップした彼女の姿に注目したい。

 

■藤原さくら(ふじわらさくら)

1995年福岡県生まれ。父の影響で10歳からギターを手にし、洋邦問わず多様な音楽に自然と親しむ幼少期を過ごす。高校進学後は、オリジナル曲の制作をはじめる。2015年3月にはEP「à la carte」でメジャーデビュー。また、2016年4月にはフジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」でヒロイン役に抜擢。そのドラマ主題歌「Soup」はファーストシングルとしてリリースされ、聴く者の心を癒すような天性のハスキーボイスで注目を集める。昨年は劇団☆新感線39周年記念公演で静歌役として初舞台に挑戦すると共に、年末まではライブツアーも開催。そして今年も2月から昨年出演した新感線の舞台公演で東京・福岡を巡る

 

・公式サイト:https://www.fujiwarasakura.com/

・公式Twitter:https://twitter.com/MammothSakura

 

※1…『ハデスタウン(Hadestown)』
2016年にオフ・ブロードウェイで初演後、ロンドンなどの公演を経て2018年よりブロードウェイにて上演がスタート。ギリシャ神話を現代風におきかえて描き、その斬新な世界観で観客を魅了している本作は、2019年アメリカ演劇界で最も権威のあるトニー賞にて8部門に輝き、現在も上演中。

※2…『ビューティフル (Beautiful:The Carole King Musical)』
『YOU´VE GOT A FRIEND』などの楽曲で世界的に知られ、絶大な人気を誇るアメリカのシンガーソングライター、キャロル・キング。そんな彼女の波乱万丈の半生を数々の名曲と共に描いたミュージカル作品。本作は、ブロードウェイで幕を開けるや否や大評判となり、2014年には演劇界の最高峰のトニー賞主演女優賞をはじめ、2015年にはグラミー賞やイギリスのオリヴィエ賞などを受賞。公演は昨年10月末で終了している。日本では、2017年に日本版が上演され、今年11月には当時のキャストにて再演が決定。

※3…キャロル・キング
1942年、ニューヨーク生まれ。1971年にアルバム『つづれおり』をリリースし、大ヒットを記録。グラミー賞では最優秀アルバム賞を含む4部門を受賞。アメリカ音楽界のレジェンドとして、世界的に活躍するシンガーソングライター

 

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