ローチケ演劇部presents はじめてのミュージカル「今月のあの人の“今キニナル”」第16回  横山だいすけ

新しい体験は、子どもはもちろん、大人にとっても貴重な機会

 

――2020年4月に上演されるミュージカル『チェーザレ』にご出演される横山さんですが、ご自身にとっての“はじめてのミュージカル”はどんな作品でしたか?

『レ・ミゼラブル』だったかな…小学校低学年のときです。親が音楽好きだったのと、演劇をよく観に行く親戚がいたのとで、「それでじゃあミュージカルを観てみよう」ってなって。何が何だか全く分からない状態で連れていかれたのが最初です(笑)。でもその時、初めて客席から舞台を観て「こういう世界ってあるんだ…」って思ったんですよね。映画を見ることも好きだったんですけど、映像ではなくて、人が目の前で歌ったり演技したりっていうのがねぇ…子供心にも強烈でした。当時は作品の真意っていうのは分からなかったと思うんですけど、それでもメロディーはすごく耳に残っていて。今でもその記憶は鮮明にありますね。


――では今、ビギナーに“はじめてのミュージカル”をオススメするとしたら?

やっぱり『ライオンキング』ですかね。映画で見た方も多いと思いますけど、お話を知った上で見ても楽しい作品だと思いますよ。アニメーションの世界が目の前に広がっているっていうのは感動するんじゃないかな。


――横山さんは劇団四季所属時代、実際の舞台に立たれていました。

『ライオンキング』に出演していたときは、「動物としてどう生きるのか?」というところを追求する毎日でしたね。動物のお話ではあるけど、その根底には“弱肉強食”、“生と死”といった深いテーマがあって、動物たちも“喜び・悲しみ”っていう根本的な感情を持っている。それをしっかりとお客さんに届けたいなって思っていました。ミュージカルなので、そういった感情を歌で表現できるっていうのも素敵だなと思うんです。僕も歌が大好きなので、気持ちが昂っているときは鼻歌とかもついつい歌っちゃうんですけど(笑)、やっぱり気持ちをメロディーに乗せて届けられるのはミュージカルの良いところですよね。


――原作が漫画の『チェーザレ』もストーリーを知った上で観られる作品ですね。

そうなんですよ!すごくとっかかりやすいんじゃないかなと思います。僕も出演のお話を頂いてから原作を読んだのですが、まず話が面白い!15世紀のイタリア、宗教観や人間の欲が渦巻いている中で、チェーザレという男が世界を変えるために立ち上がる物語。漫画から入ると時代背景も分かりやすいですし、夢中になって読んじゃいましたね。今は本当に、「これをミュージカルでやったらどうなっちゃうんだろ?!」っていう気持ちです。原作ファンの方には、漫画で見ていた“チェーザレ像”が動いた時どうなるか、歌になった時にどうなるかってところをぜひ感じてもらいたいです。ミュージカルに馴染みのない方でも、この作品で新たな世界が開けるんじゃないかなと思います。

「『チェーザレ』では絶対できませんが…(笑)」と
変顔ショットをサービスして下さった横山さん


――『チェーザレ』ではルクセンブルク家の皇帝・ハインリッヒ7世という役柄を演じられる横山さんですが、テレビで見る“だいすけお兄さん”とはまた違った一面が見られそうですね。

たぶん同じところが無いですね(笑)!ビジュアル撮影のときも、表情の使い方から手の動かし方、全てが新鮮でした。童謡を歌うときの歌声と、ミュージカルの中で歌う歌声って全然違うんですよ。そういう世界観の違いも感じて頂けたらと思いますし、“だいすけお兄さん”を知っている方にもぜひ観て頂きたいですね。この役は僕にとっても新しい挑戦になると思います。


――歌1曲で表現することと、ミュージカルの作品を通して一つの物語を表現すること、やはり違いますか?

歌詞から景色や気持ちを届けるってところは変わらないですが、やはり表現方法はまったく違うので、そこは楽しみにして頂けたらと思いますね。


――ミュージカルの魅力って、どんなところにあるのでしょう?

ミュージカルは歌・演技・踊り、全てありの総合芸術なので、観る人によって色々な楽しみ方ができるというか。登場人物もたくさんいますし、「一回じゃ目が足りない!」ってくらいたくさんの魅力が詰まっているものだと思います。皆さんの日々の生活にも活かせる何かが見つかるかもしれないですし、そういう発見ができるのがミュージカルなんじゃないかな。もしかしたら普段歌わない人が、観終わった後に鼻歌を歌っているかも(笑)?!そうなったら嬉しいですよね。

僕自身も子どもたちに“はじめてのミュージカル”を体験してもらいたいと思って、オリジナルミュージカルを作って全国を回っているんです。(※1)やっぱり新しい体験っていうのは、子どもはもちろん、大人にとっても貴重な機会になると思っていまして。“ミュージカル”って聞くとどうしても敷居の高いイメージを持たれがちですが、ぜひ「自分の新しい何かを発見できるかもしれない!」って気持ちで一歩踏み出して頂けたらと思います。僕も『チェーザレ』を通して、新しい自分を発見していきたいですね!

 

取材・文・撮影/ローソンチケット

 

※1  『だいすけお兄さんの世界迷作劇場』
“世界の名作を、ちょっと不思議なミュージカル・コンサート仕立て”というコンセプトのもと、2017年よりツアーを開催している。

 

■横山だいすけ
1983年5月29日生まれ、千葉県出身。2006年に国立音楽大学音楽学部声楽学科を卒業。劇団四季時代は『ライオンキング』等の舞台に出演。 NHK Eテレの幼児番組『おかあさんといっしょ』では、番組史上歴代最長となる9年間“歌のお兄さん”を務める。 2017年4月に卒業後、ドラマ、バラエティ、CM出演、舞台、声優、CDソロデビューと活躍の場を広げている。

オフィシャルサイト:https://yokoyamadaisuke.com/

オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/daisuke-yokoyama/

 

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