第7回ブス会*『エーデルワイス』ブス会*主宰・ペヤンヌマキ ロングコメント&稽古場写真が到着!

2019.02.18

2月27日(水)から3月10日(日)まで東京芸術劇場シアターイーストにて第7回ブス会*「エーデルワイス」が上演されます。
ブス会*主宰・ペヤンヌマキより、「エーデルワイス」が生まれた経緯や、オーディションで選出れたキャストについてコメントが届きました。

【ロングコメント】
2017年に安藤玉恵さんと「男女逆転版・痴人の愛」を終えた後一度燃え尽きてしまって(笑)。新しい物語を産み出すために、新しい人との出会いが必要だと感じました。「求ム、ミューズ!」と銘打って大々的にオーディションをしたのですが、そこに鈴木砂羽さんが応募していらっしゃって。砂羽さんは前述の「男女逆転版・痴人の愛」を見てくださっていたのですが、「オーディション応募していい?」と連絡が来て。正直ビビりましたが、より腹を括ってオーディションに臨めたように思います。砂羽さんは募集要項の「美しさに自信がある方、醜さに自信がある方、内面の醜さをさらけ出すことができる人、欲望がだだ漏れている人」の全てに当てはまっていて、厳正なるオーディションの結果、やはりお願いしようということになりました。
今回、“大人のおとぎ話”を作りたいという想いがあり、キャストはおとぎ話に登場しそうなルックスであることも重要視しました。水澤紳吾さんは佇まい・存在感が唯一無二で、オーディションでも異彩を放っていました。後ろ姿だけでもずっと見ていられるというか、存在そのものの魅力が凄い役者さんだと思います。大和孔太さんは王子のようなルックスと真っ直ぐな心の持ち主でそういう方にダメな男の役をやってほしいと思いました。後藤剛範さんは筋肉隆々の肉体からは想像できない繊細なお芝居をする方で、そのギャップに魅力を感じました。金子清文さんは、ブス会*にご出演いただくのは二度目ですが、飄々とした佇まいと人たらし感にカリスマ的魅力を持つ男の役をやっていただきたいと思いました。今回、キャラの濃い男性陣の中で、土佐和成さんには唯一健康的な性欲を持つオスという役割を担っていただきたいと思ってキャスティングしました。そして女性陣、高野ゆらこさんはブス会*の作風の理解者であり、名バイプレイヤー。劇中でも主人公の最大の理解者であり協力者である役をやっていただきます。藤井千帆さんはオーディションにすっぴんで現れるほど飾りっけがなく、「ありのままを曝け出すことができる」というブス会*が求めている人材をよくわかっている、頭がよくてガッツがある女性だなと感じましたので、やってのけてくれるんじゃないかと期待して出ていただくことに決めました。
今までは1シチュエーションで物語の中の時間の流れもそこまで変化しない具象的な舞台が多かったブス会*ですが、今回はかなり抽象的な演出に挑戦しています。先日はなんと振付の先生を入れて「ダンス練」をしたんですよ。今までのブス会*ウォッチャーの方は驚かれるかもしれませんが、従来の自分の作風と地続きな部分も多くあり、楽しんで頂けると思っています。ご来場、お待ちしてます。

ペヤンヌマキ

【プロフィール】
1976年生まれ、長崎県出身。ブス会*主宰/脚本・演出家。
早稲田大学在学中、劇団「ポツドール」の旗揚げに参加。
2004年よりフリーのAV監督(ペヤングマキ名義)として活動する傍ら、劇団ポツドール番外公演‘女’シリーズとして、2006年に「女のみち」、2007年に「女の果て」を上演。(脚本・演出)
2010年、演劇ユニット「ブス会*」を旗揚げ。以降全ての作品の脚本・演出を担当。
第4回ブス会*『男たらし』、第6回ブス会*『お母さんが一緒』が二年連続で岸田國士戯曲賞最終候補作品にノミネートされる。
近年はフリーの映像ディレクター・脚本家としてテレビドラマなども手がける。
BSジャパン「メンズ温泉」(演出)、テレビ東京「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」(演出)、NHK総合「祝女シーズン3」(脚本)、NHK総合ちょいドラ「斬る女」(脚本)、フジテレビ「リテイク 時をかける想い」(脚本)、テレビ東京「恋のツキ」(脚本)、NHKラジオ 劇ラヂ!ライブ「ふたり暮らし」(脚本・演出)
著書に、半自伝的エッセイ『たたかえ!ブス魂~コンプレックスとかエロとか三十路とか』(KKベストセラーズ)、『女の数だけ武器がある。たたかえ!ブス魂』(幻冬舎文庫)がある。

 

【アフタートーク】
2月27日(水)より東京芸術劇場 シアターイーストにて上演される第7回ブス会*『エーデルワイス』のアフタートークゲストが決定致しました。
2月28日(木)に登壇が決定したのは、ペヤンヌマキの著書『たたかえ!ブス魂~コンプレックスとかエロとか三十路とか』にてカバーイラストを担当、『アラサーちゃん』などのヒット作で知られる漫画家の峰なゆか。司会に、早稲田大学などで少女漫画研究をメインとしたサブカルチャー関連講義を担当、『小説すばる』、『yomyom』、『マンバ通信』などで執筆中のライター・トミヤマユキコを迎え、主宰・ペヤンヌマキとともにトークを繰り広げます。多くの女性から共感を得る三名のクロストークに期待が高まります。

 

(左から)峰なゆか、トミヤマユキコ

 

3月2日(土)には、ブス会*『女のみち』シリーズに出演し、『男女逆転版・痴人の愛』ではペヤンヌマキとタッグを組んだ安藤玉恵が登壇。ペヤンヌマキ、さらに今回『エーデルワイス』に出演する女性キャスト鈴木砂羽、高野ゆらこ、藤井千帆を交え、ブス会*の舞台裏などについてトークします。

(左から)安藤玉恵、ペヤンヌマキ
 

また、著書『私は猫ストーカー』が映画化されるなど、イラストレーター、エッセイストとして活躍中の浅生ハルミンが劇中に登場するイラストを手掛け、バーレスクパフォーマーとして自らも舞台に立ちながら、振付や指導と多方面で活躍中のViolet Eva(紫ベビードール)が振付を務めることも決定しました。

(左から)浅生ハルミン(写真:ただ(ゆかい))、Violet Eva(写真:Lilly Lens)
 

才能溢れる女性たちが集結し、過去のブス会*とは一味違った広がりのある演出を展開。舞台『エーデルワイス』をより一層輝かせます。

 

【あらすじ】
今作『エーデルワイス』は、ペヤンヌマキが描く現代を生きる女性の為のおとぎ話。「王子なんていない」と絶望の淵に立たされた女は「魔女」になってしまうのだろうか。
主人公はスランプに陥っている漫画家、森アキナ、43歳(鈴木砂羽)。自身の代表作「たたかえ!いばら姫」以降、ヒットを出せずに苦しんでいる。長年の付き合いの担当編集者も呆れ顔。
「たたかえ!いばら姫」は地方から上京した18歳の女性・ミユキが様々な価値観に翻弄されていく物語。自分が何者か見出せないままのミユキは、男たちに「NO」を言えず、流され続けてしまう。ちまたに溢れている「女の幸せ」という呪いをかけていたのだった。30歳の誕生日にどん底に到達したミユキは、やっと「自分だけにできること」を見つけるが・・・。
過去の自分を認め和解するという普遍的なテーマを、ペヤンヌマキ自身の経験を投影し、過去と現在を交錯させながら描きます。

【ブス会*とは】
2010年、ぺヤンヌマキが、舞台作品を上演する為に立ち上げたユニット。ぺヤンヌマキとその友人たちが、女だけで集って愚痴や自慢をぶちまけまくる飲み会を「ブス会」と呼んでいたことに端を発する。劇団員を持たず、ぺヤンヌマキが毎回好きなメンバーを集めて作品を上演。女の実態をじわじわと炙り出す作風で、回を追うごとに話題を呼ぶ。立ち上げ当初は、出演者は全員女で女同士の関係における醜くも可笑しい“ブス”な実態を群像劇として描くのが特徴だったが、近年は男も登場させ、様々なアプローチで“女”を描いている。

 

稽古場写真/宮川舞子