“今月の”優先順位高めです 【2020年12月号】

2020.12.01

お久しぶりです。

まだまだ新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、なんなら第3波で感染者、重傷者が増えてきている状況ではありますが、やっぱり演劇を観たい。

この状況だからあんまり沢山観に行けないなあと思っている方も、優先順位を付けて、観れるものから安全に観劇を。
というわけで久々に「優先順位高めです」です。

各演劇大好き人たちの、優先順位高め”な公演を、ゆるっとご紹介いたします。

演劇ジャーナリスト・徳永京子の優先順位高め!

東京に限って言うと9月以降は公演数が一気に戻り、12月は完全に例年並みという皮膚感覚。魅力的な作品も多く、絞って3本。偶然、すべて女性大活躍の作品になった。good morning N°5は澤田育子と藤田記子を中心にした劇団。演劇から失われつつあるアナログな肉体感覚を、やはり失われつつある“懸命が昇華されて笑いに転じる現象”と掛け合わせて、今、むしろ新鮮な存在になっている。人と人が近付くことを禁忌とするコロナ禍とは最も相性の悪い作風だが、彼女達の困難に直面するほど発揮されるアイデアが、上演中の『ただやるだけ』でもきっと見られるはず。文学座アトリエの会『ガールズ・イン・クライシス』は、女性の自意識の目覚めではなく、目覚めの先に待ち受けるものを戯画的にテンポよく描いた戯曲で、これを料理する生田みゆきの演出に期待している。演出は男性(上村聡史)だが3人の出演者が全員魅力的なのが風姿花伝プロデュースの『ミセス・クライン』。那須佐代子、占部房子、伊勢佳世が揃って「人生最大の闘いを始めるのよ 自分の母親を人として見るということ」(チラシのコピー)がテーマの作品に挑むのだから見逃せない。『ただやるだけ』と『ガールズ』は配信あり、『ミセス』はシンポジウムの配信がある。

徳永京子
中止も上演も、決めた方達の選択を尊重します。そのどちらにも慣れないようにし続けたい。来年の目標は、観た公演の感想をもっと外に出すことです。

Twitter:@k_tokunaga

ライター・横川良明の優先順位高め!

成井豊と梅棒のマリアージュ
成井豊率いるキャラメルボックスと、伊藤今人率いる梅棒。終演後、心が優しくなって、幸せな気持ちで家路に着ける2大チームが運命のマリアージュを果たします。梅棒ダンスを踊るキャラメルボックスの面々も、お芝居をする梅棒のみなさんも、どちらも楽しみですが、最高に楽しく、心の温かい作品になることは間違いなし。いろんな悲しいことがあった2020年だからこそ、最後はこの公演でハッピーに締めくくりたいです。

横川良明
ライター。演劇・映像を問わず幅広く取材。演劇集団キャラメルボックスと惑星ピスタチオに魅せられて演劇の世界へ。観る人に情熱と希望を与えてくれるようなお芝居が好きです。

Twitter:@fudge_2002

ライター・河野桃子の優先順位高め!

どこかで幕が開いている!たくさんの期待作のなかから、外したくないのは毎年高クオリティの濃密な芝居を生みだす
風姿花伝プロデュース
。藤原竜也、高杉真宙らが柄本明演出作品に出る『てにあまる』や、成井豊と梅棒のマリアージュも年末に楽しませてくれそう。ほかパラドックス定数文学座12月アトリエの会、シベリア少女鉄道東京デスロックなど、上演に向けて決意し、日々準備している劇団にも期待と応援を寄せたいです!

河野桃子
ライター。翻訳戯曲と小劇場を中心に、ミュージカルやコンテンポラリーダンスなど「舞台」と名がつくものはなんでも観に行きます!

Twitter:@momo_com

ライター・町田麻子の優先順位高め!

活況すぎた11月が終わり、大作ミュージカルの開幕がない12月。こんな時こそ後回しにしちゃいがちなロングラン作品をということで、11月に開幕した「オペラ座の怪人」を今月こそ。小品ですが、「グレイテスト・ショーマン」の作詞作曲家チームが若かりし日に書いたソングサイクル『EDGES』もマストです。あとは、ミュージカルと銘打たれてはいないが歌えるキャストが揃った『両国花錦闘士』 『INSPIRE陰陽師』も地味に気になり中。

町田麻子
フリーライターと芸大生の二足のわらじ。どっちにしろミュージカル。ブロードウェイand/orロンドンに毎年行っては日本語版を妄想プロデュースするのがライフラークです。

Twitter:@AsakoMachida

ローチケ演劇部_た の優先順位高め!

『ピーター・ザ・スターキャッチャー』、出演者のお名前を見るに、あらすじを読んでみても舞台上がどうなるのか全然想像つかない!期待が膨らんでます。それから『森山開次×川瀬浩介×ひびのこづえ 新作ダンスパフォーマンス』。ギャラリーエークワッドの「森山開次展」で初演された『LIVE BONE』10周年記念で新作が発表されるそうなのですが、あの展覧会からもう10年も経ったの!?という驚きが…時の経つのは早い。公演は後日配信もあるようなので、楽しみに待ってます!

ローチケ演劇部_まる の優先順位高め!

はじめまして!最近入部しましたローチケ演劇部のまるです。
2020年も残り1か月ですね。11月はミュージカル好きとしてはテンションの上がるラインナップでしたが、ほとんど観られず…(泣)引き続き上演中の『プロデューサーズ』の観劇でスタートしたい12月。演劇だとシス・カンパニー
『23階の笑い』も気になる…。先日、女性版『おかしな二人』ではじめてニール・サイモンの笑いを堪能したので、本作も期待大!三谷幸喜演出で笑って今年を締めくくりたいです…!!

ローチケ演劇部_白の優先順位高め!

また感染拡大している中ではありますが、可能な限り劇場で公演を観たいと思っています。
まずは、劇団た組『私は私の家を焼くだけ』。加藤拓也さんの手がけるカフェ公演楽しみ。松井周さん作の『てにあまる』、マームとジプシー『窓より外には移動式遊園地』、岩井秀人さんの『いきなり本読み!』に、先日まで公演に立ち会っていたハイバイ『投げられやすい石』のオンライン配信も観たい。新ビジュアルがカッチョイイ『両国花錦闘士』も。観劇納めは『劇団4ドル50セントとろりえの年末』かな。12月は久々忙しくなりそうです。