6月です。9都道府県に出ている緊急事態宣言が6月20日まで延長となりましたが、引き続き、「幕が開く公演があるならば、それを全力で応援したい!」の精神で、21年6月の「優先順位高めです」です!
※新型コロナウイルス感染拡大の影響もありますので、公演の実施に関しては事前に各公式HPなどでご確認ください。
俳優・小沢道成の優先順位高め!
『サンソン』神奈川公演 悔しくも5月に一部公演が中止となった東京公演を観劇したのですが、緊張感緩むことなく畳み掛けるシーン展開に何度も心が震えました。特に特に特に大拍手なのがアンサンブルとして劇世界を作る役者のみなさん。役者のエゴが見えることなく役としてのエゴは溢れ出ていて、それって実は凄いことだと思うのです。その役の持つエゴが重なり合うことで(物語が持つテーマも合わさり)、生身の人間の迫力が観客席に突き刺さります。 これが日本で作られた新作演劇だということに、日本の演劇すげぇえええ!って久しぶりに創作の心が燃えてきました。 優先順位高めなもう一度観たいものです。
小沢道成
俳優。EPOCH MAN主宰、作・演出・美術も手掛ける。宣伝美術で観劇を選ぶことが多いです。そして口コミ情報。最近はなんだか呟きにくい世界ですが、ひとつの口コミが観に行く強い動機になっています。どんどん教えてください! Twitter:@MichinariOzawa |
俳優・目次立樹の優先順位高め!
「夜は短し歩けよ乙女」 大学時代、沼のごとくドハマりしたものに「森見登美彦」があります。作品で描かれる、懐かしくも怪しげな京都の町に魅せられ、せっせと巡礼に通ったほどでした。「ヨーロッパ企画」もそのひとつ。当時所属していた演劇サークルでは、彼らの公演DVDを観て、完コピするという稽古をしてました。主演の中村壱太郎くんは大学の後輩で、学生時代に個人的な企画でインタビューさせていただいたことがあります。そこで彼は、歌舞伎だけでなく、ストレートプレイもなんでも挑戦したい、と熱く語っていました。その言葉通り、歌舞伎の枠にとらわれない活躍をみるにつけ当時のことを思い出します。 原作×演出×主演、すべてが青春の輝きを放つこの作品を、私は最後まで椅子に座ったまま観ることができるのでしょうか。 |
俳優・田代明の優先順位高め!
劇団四季「アナと雪の女王」と、パルコ・プロデュース「目頭を押さえた」が楽しみです。誰もがご存知アナ雪が開幕!!私、ミュージカル作品だと「Wicked」が好きなのですが、Wickedもアナ雪も女性2人がメインな珍しい作品。しかもブロードウェイではグリンダとエルファバで共演経験のある2人がアナとエルサを演じていたり、勝手に共通点を見つけてワクワクしてます。 目頭を押さえたは知人に勧められて行くのですが、こちらも女性2人がメイン。あと、セーラー服って刹那的な輝きが感じられて好きなのでそこも惹かれました(笑) フレッシュなお2人を実力派キャストの皆様が固めていて、こちらも観劇前からとても楽しみにしている作品です。
田代明 女優。秋元康プロデュース「劇団4ドル50セント」劇団員。東京藝術大学声楽科卒業。「お芝居の素敵なミュージカル女優さん」と言われる為に、日々いろんな作品を勉強中。そしてシンプルな観劇オタク。 Twitter:@Akari4_50 |
演劇ジャーナリスト・徳永京子の優先順位高め!
まず、4月に「万難を排して観てほしい」と書いた、片岡仁左衛門と坂東玉三郎による『桜姫東文章』の下の巻は、やはり6月最高のお楽しみ。「早く観たい」と「観たら終わってしまうからもったない」のシーソー状態が続いています。もし上の巻を見逃して、下の巻なら観られるという方がいたら、臆せず是が非でも観てください。後半だけでも、観る価値も意義もあります。ロロ『いつ高シリーズ』ファイナルとなる9話と10話の一挙上演も、このシリーズのファンとしては「観たら終わってしまう」寂しさと「最後まで見届けたい」のシーソーだけども、過去作を知らない人にも充分に届く練られた世界観が待っているはず。去年のワークインプログレス&予告編から本編が待ち遠しかった情熱のフラミンゴ『ちょっとまって』。死んだ男、殺した女、殺した女の親友でありつつ長らく彼女を見下してきた女という3人の会話は、WIPの時点ですでにグルーヴ感が生まれていた(特に西田加奈子と兵藤公美)ので、会話劇のスリルに浸りに出かけたい。島村和秀という全体像がなかなか見えてこない、けれども間違いなく強い引力を持つ劇作家の才能をそろそろ言語化したいという職業的な願望も。モチロン『3年B組皆川先生』は、知らないことを知りたいという欲求が演劇を観る大きなモチベーションである私が、おそらく最初から最後まで笑いっぱなしで何も考えないで劇場をあとにするであろう大事な大事なおバカ系。最後は、昨今のミュージカルの一般化(舞台芸術市場を牽引する売上高や、ミュージカル俳優の音楽番組やバラエティ番組での活躍、その番組でのイロモノではない扱い)には、生まれた時からディズニーのミュージカルが身近にある世代の増加が著しく影響し、一方で劇団四季のロングランや全国的な活動抜きにも語れないと考えているので、四季の『アナと雪の女王』は必ず足を運びます。 |
ライター・横川良明の優先順位高め!
舞台『タンブリング』 これまで数多くの若手俳優の舞台を観てきましたが、若手俳優×スポーツは鉄板の組み合わせ。本作では、俳優たちが本気で新体操に挑戦します。廃部寸前の弱小校×伝統と歴史を誇る強豪校という図式も王道中の王道。キャストも高野洸、元木聖也、納谷健、北乃颯希、蒼木陣、長妻怜央ら身体能力に定評のある俳優が揃っています。きっとクライマックスは、俳優たちが猛練習の末に身につけた新体操に観客も熱い涙を流しているはず。爽やかな青春の風を感じたい方にオススメします! 「BANANA FISH」The Stage ブロマンスの金字塔として多くのファンから愛される吉田秋生の「BANANA FISH」が舞台化。個人的にも大好きな作品だけに不安と期待でいっぱいなのですが、演出を手がけるのは、原作のコアを捉えた作品づくりに定評のある松崎史也だけに、きっと期待を超えるものを見せてくれるはず。アッシュが、英二が、目の前で生きている…!という感動を味わえることを今から楽しみにしています。 横川良明
ライター。演劇・映像を問わず幅広く取材。演劇集団キャラメルボックスと惑星ピスタチオに魅せられて演劇の世界へ。観る人に情熱と希望を与えてくれるようなお芝居が好きです。 Twitter:@fudge_2002 |
ライター・河野桃子の優先順位高め!
6月はKAAT神奈川芸術劇場に注目。 岡田利規『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』は、コロナ禍での中止をへてついに上演。出演者が魅力的なのはもちろん(森山未來、片桐はいりほか/七尾旅人(謡手))、中止決定後の2020年6月にオンライン上演された稽古成果の一部には、 モニターの前で 「ああ、舞台がここにある!」と、目前の闇に光が差し込んだようでした。今、舞台芸術としてなにが立ち上がるのか楽しみです。『春の祭典』 は、“フラメンコ界の革命児”“稀代の天才”などと言われるイスラエル・ガルバン 。身体と音楽と情熱の渦に押し包まれるような感覚になるのでは。また、タニノクロウ『虹む街』も開幕!上田誠さん演出の『夜は短し歩けよ乙女』ほか、 井上芳雄さん主演の『首切り王子と愚かな女』も楽しみ。演出をつとめる蓬莱竜太さんの「今必要なのは「リアル」より「ファンタジー」なのかなと」というコメントも、演劇の持つ強い力のひとつだよなと思うのです。 |
ライター・古内かほの優先順位高め!
“「能」のフォーマットを応用した音楽劇”って、一体どんな舞台が出現するんだろう?とワクワクしているのが『未練の幽霊と怪物』。チェルフィッチュの岡田利規さん演出、森山未來さんを筆頭とした個性際立つ(かつ盤石な)キャストの方々に加え、七尾旅人さんが劇中で謡を担当、という魅力あふれる布陣にも惹かれます。 初演時、柚希礼音さんの妖艶さが印象深かった『マタ・ハリ』は、今回の再演で新たに愛希れいかさんが加わり、Wキャストでの上演。ダンスの名手であるお二人が、政治の陰謀に巻き込まれていく魅惑のダンサーをどのように演じるのか、注目しています。 先月は公演中止に伴い、無観客でライブ配信された作品を視聴する機会が多かったのですが、そのなかでも新国立劇場バレエ団の『コッペリア』は視聴者の反響も大きく、私自身もバレエの魅力を再発見できた時間でした。次の上演作『ライモンダ』はぜひ劇場で観てみたい!という気持ちに。演目について調べていたら、菅井円加さんがローザンヌで踊ったのが『ライモンダ』のバリエーションだったと知り、益々興味がわきました。バレエはなんとなくいつも観る演目が固定しがちだったので、新鮮な気持ちで鑑賞ができそうだな、と今からたのしみにしています。 |
ライター・中川實穗の優先順位高め!
6月、観たい作品がたくさんあります。まずは『夜は短し歩けよ乙女』。森見登美彦さんの小説をヨーロッパ企画の上田誠さんが舞台化されます。なにがなんだかわからない感じで次から次へと世界が変わっていくあのゴチャゴチャ感が舞台で再現されたら、最高の気持ちになる!と思っています。竹中直人さんの李白楽しみ。そして去年から待っていたのは『未練の幽霊と怪物』。わたしは石橋静河さんのファンですが、舞台で観るのが一番好きです。映像の石橋さんも素敵だけど、舞台の石橋さんも観てほしい!という気持ちでここに書きました。そして、新装紀伊國屋ホールこけら落とし公演「新・熱海殺人事件」。「熱海殺人事件」に関しては観ないってわけにいかないんです。自分のバロメーター的な存在の作品でもあります。期待しているのはA New Musical『ゆびさきと恋々』。原作漫画の眩しい恋を脚本・飯島早苗さん、音楽・荻野清子さん、演出脚本・田中麻衣子さん、振付・前田清実さんによってどんなミュージカルにされるのかなというのがめちゃくちゃ楽しみです。そして、オフ・ブロードウェイミュージカル「The Last 5 Years」は、個人的には全キャストに「どういうお話だと思いましたか?」とインタビューしたくなってしまう作品。恋が始まり終わる話ですが、いろんな捉え方ができる内容だと思うので、3組のペアがそれぞれどうみせるのかがめちゃくちゃ気になります。 |
ライター・岩村美佳の優先順位高め!
2021年もまもなく半年が過ぎようとしています。まだまだ厳しい状況が続くなかですが、5月末の『レ・ミゼラブル』開幕に、多くの希望の声が溢れました。私も列に入るのを楽しみにしています。6月に開幕する演目で特に楽しみにしている作品は『マタ・ハリ』です。実在の人物マタ・ハリの生涯を、フランク・ワイルドホーンのドラマティックな音楽で綴るミュージカル。2016年に韓国で生まれ、2018年に日本初演されましたが、今年の再演では、初演キャストに、新キャストが加わります。初演時の鮮烈な記憶とともに、再演を心待ちにしていました。八通りあるという、主要三役の様々な組合せによる化学変化にも期待しています。
岩村美佳
フォトグラファー・ライター。初観劇は小学生の時に観た宝塚。ミュージカルを中心に色々と観劇しています。配信観劇も存分に楽しめるようになりました。超絶猫好き。 Twitter:@nyanyaseri |
ライター・釣木文恵の優先順位高め!
昨年の上映予定が1年延期された『未練の幽霊と怪物』。岡田利規が近年ドイツや京都で上演してきた「能のフォーマットを演劇に応用する」というスタイルを、ようやく首都圏で観られる日がやってきました。しかもテーマのひとつに据えられたのは新国立競技場のコンペで一度は選ばれ、そして白紙にされた建築家、ザハ・ハディド。この公演が延期された東京オリンピックの開会予定1か月前に観るというのは後にも先にもない体験になりそうです。もうひとつ、同じくKAATで同時期に上演されるのがタニノクロウ『虹む街』。あるコインランドリーを舞台に、神奈川に住む方を中心とした一般の人々もキャストに巻き込むそう。とある街の一日を、没入感たっぷりに体感できそうです。
釣木文恵
演劇を中心にインタビュー記事などを執筆。最近はお笑い関連の仕事も増えてきました。 |
ライター・大内弓子の優先順位高め!
岡田利規が能の形式に則って書いた『未練の幽霊と怪物─「挫波」「敦賀」─』。昨年、公演中止となりリモート稽古の成果の一部をオンライン上演。それだけでも鷲掴みされたが、ついにその全貌を観ることができる。語られる未練の中に見えてくるであろう今の日本の姿に何を思うか。『狂言劇場 その九「武悪」「法螺侍」/「舟渡聟」「鮎」』は、古典と新作を上演。狂言という形式もまた、こんなにも豊かなものを生み出すのかと思わされるはずだ。野村万作・萬斎・裕基の三代が揃う今、それぞれの年代の表現が感じられるのも面白い。
大内弓子
演劇を中心に、ドラマ・映画などエンターテインメントの、主にインタビュー記事を執筆しています。 |
ローチケ演劇部_白の優先順位高め!
6月。優先順位高めな公演を2つ。1つ目は、新宿梁山泊「ベンガルの虎」@花園神社境内特設紫テント。テント芝居ってなんか異空間に来たような気持ちになります。しかも唐さんの作品で、風間杜夫さんがテント芝居初出演ですって。これは観たい。花園神社後にゴールデン街に繰り出すというルートは今できなさそうで残念です。 2つ目。劇作家としての評価も高い岩崎う大さん率いる劇団かもめんたる『ソルティーなんとかメモリー』@下北沢駅前劇場。深夜番組で2.5次元俳優に演出をするう大さんを見まして、グググと優先順位があがりました。劇団公演は観たことがなかったので、次こそは!と思っています。 どちらもローチケでチケット取扱っていなかったです。まだまだ。頑張ります。 |
ローチケ演劇部_たの優先順位高め!
4月にもこの企画で挙げたTEAM NACS第17回公演『マスターピース~傑作を君に~』がいよいよ大千穐楽!6/6(日)にはライブビューイングや配信も。劇場で、映画館で、お家で、それぞれの持ち場で楽しみましょう!(た)は先日観た東京公演のことを思い出しながら、パソコンの前で正座待機します。 お近くの映画館に行けるよという方は、ぜひシネマ歌舞伎『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』も。中村勘三郎さんと坂東玉三郎さんご出演の、胸がときめきまくる恋物語。肩の力を抜いてハッピーな気分になれるはず。きゅんきゅんしたい方、おすすめです。 映像作品ばかり挙げてますが、劇場では『首切り王子と愚かな女』を。作・演出の蓬莱竜太さんがご自身でツイートされている登場人物紹介が、もう面白くて。このツイートを片手に、大人のファンタジーを味わいに劇場へ行ってみようと思ってます。 |
ローチケ演劇部_塩の優先順位高め!
今年2月、耐震補強のため改修工事に入った紀伊國屋ホール。改装前最終公演として「熱海殺人事件」が上演されたのはまだ記憶に新しいですよね。その熱海殺人事件が6月に改装後の柿落とし公演で「新・熱海殺人事件」として上演されます。熱海殺人事件をこよなく愛する私にとっては楽しみで仕方ありません!荒井敦史さんが木村伝兵衛を続投はもちろん、多和田任益さんの熊田留吉が2017年ぶりに観れるとなれば、この胸の高鳴りは抑えきれません。 さらに、今回は落とし公演第二弾として「モンテカルロ・イリュージョン」が待望の再演!!あの立ち姿、あのセリフ…、鮮烈な印象を残した多和田さんの木村伝兵衛がまた観れるなんて…!同じ熱海殺人事件における新・熱海とモンテ熱海の木村伝兵衛の違い、熊田から伝兵衛へとわずか中日2日で変貌を遂げる多和田さんに注目です!6月は「新・熱海殺人事件」と「改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン ~復讐のアバンチュール~」で「熱海殺人事件」の言葉の海にどっぷり浸かって、濃密な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。 |