日本で33年ぶりの上演となる舞台『ブレイキング・ザ・コード』│全キャストのコメント解禁!

2023.01.11

ただ、自分のまま生き、愛したかった。
チューリングの孤独と苦悩の真実が、33年ぶりに日本で蘇る!

コンピューターを発明し、この世界の在りようを大きく変えたはずの彼の功績は、何故隠され、何故41歳という若さで不運な死を遂げなければならなかったのか?

イギリスの数学者で、第二次世界大戦中にコンピューターを発明しナチスの暗号「エニグマ」を解読した実在の男性・アラン・チューリングの生涯を描いた作品『ブレイキング・ザ・コード』。

アラン・チューリング はイギリスの英雄であり、そして同性愛者だった。当時同性愛が犯罪だったイギリス。この世界の在りようを大きく変えたはずの彼は、何故41歳という若さで悲運な死を遂げなければならなかったのか――。不器用にしか人と関われない彼が、本当に求めていたものは名誉か、愛か、はたまた。 わずか70年前、人が人を愛する自由を許されなかった実在の英雄の物語を、日本で33年ぶりに上演。数奇なチューリングの人生が、気鋭の演出家、稲葉賀恵の手により今、舞台で蘇る!!

亀田佳明が演じるアラン・チューリングのビジュアル公開!

本作で主演アラン・チューリングを演じるのは、亀田佳明。『ガラスの動物園』『タージマハルの衛兵』で狂気と繊細さを表現し、紀伊國屋演劇賞を受賞。演劇界になくてはならない存在の彼が今回チューリングに挑む。チューリングの持つ希望と絶望が、そこに共存している空気感をビジュアルの撮影時から纏う亀田佳明。期待のビジュアルが完成した。

チラシビジュアルより

この亀田佳明のほか、本作の気になる出演陣も実力を兼ね備えた俳優陣が集結!チューリングと関係を持つロン・ミラー役にはミュージカル、ストレートプレイとジャンル問わず活躍し、どんな役も見事に体現してきた水田航生。チューリングの同僚パット役には、安定感と存在感のある演技で、映画、T V、CMにも多数出演し、活躍の場を広げる岡本玲。チューリングを戦時中の暗号解読に引き抜いた、ノックス役は、元劇団四季の看板俳優であり、確かな実力を持つ、加藤敬二。チューリングの初恋相手、少年クリストファー役には、若手俳優として頭角を表す田中亨。上層階級の官僚ジョン・スミス役は劇団猫のホテルの看板俳優であり軽妙さと重厚感を併せ持つ中村まこと。チューリングの母、サラ・チューリングには、圧倒的な演技力で観る人を虜にする保坂知寿。そして、強盗事件の捜査に訪れる刑事ミック・ロス役には堀部圭亮。コメディからシリアスまで幅広く見事に演じ分ける彼が、作品に深みをもたらす。 美しく繊細で重厚な本作、是非劇場でご堪能あれ!本作は、4月1日(土)から東京・シアタートラムにて上演。

本公演のビジュアルと全キャストのコメントを公開!

アラン・チューリング役 亀田佳明 コメント

この機会を与えて頂けましたこと大変嬉しく光栄におもいます。アラン・チューリングの伝記や資料の中には、彼の性格や行動が様々残されています。突出した能力がありながらアンバランスで謎が多い。この人物をどこか身近に感じていけるよう、稽古を積み重ねていきたいと思います。心強いスタッフキャストの皆さんとこの作品にトライしていく日が待ち遠しいです。劇場でお待ちしております!

ロン・ミラー役 水田航生 コメント

この戯曲を読んだ時に、自分が自分として生きる事の意味を改めて考えさせられました。実在したチューリングという人物の繊細な生き方を通して、今の時代を生きる自分達がいかにそれぞれの人生を全うするかを問われている気がします。僕が演じるロン・ミラーという男にも、勿論人生があって、信念があって。戯曲上では、そのほんの一端しか描かれていないですが、演じる時には彼の人生にも深く潜って、役作りをしていきたいと思います。個人的には静かなる激情をこの作品から感じているので、チューリングの理論的な言葉の中に潜む、激しい心を稽古から察知して、本番まで駆け抜けていきたいと思います。

パット・グリーン役 岡本 玲 コメント

人間も機械みたいに何も感じなかったら楽に生きられるのに…と思うことがたまにあります。でも傷ついたり、笑顔になったり、互いに影響し合うからこそ人間だし、演劇がある。この戯曲を読んでいると、命ある生物である自分をぎゅっと抱きしめたくなります。小田島さんの新訳と稲葉さんの演出、そして素敵なキャストの皆さんとご一緒できること、とても嬉しく思います。良い影響を与え合えるよう、尽力したいと思います。劇場でお待ちしています。

ディルウィン・ノックス役 加藤敬二 コメント

いよいよ、2月末から本稽古の開始にあたり、素晴らしい俳優の方々とご一緒出来る事を大変光栄に思っております。プロデューサーの笹岡征矢さん、サラ・チューリング役の保坂知寿さんは、劇団時代ぶりで今からとてもワクワクしてます。初めて台本を読んだ時、ノックス役の設定年齢と脚を引き摺っている以外、作品のハードルの高さを覚悟しました。メチャクチャ緊張と興奮しております。この作品で演出の稲葉賀恵さんがイメージされている、宇宙の天体を彷徨う孤独な人生の記憶の点と点が繋がる一本の線が描ける様に全力で挑み楽しみたいと思っております。

クリストファー・モーカム役 田中 亨 コメント

数ヶ月前に台本を読ませていただき、それからキャスト スタッフの方々を知り、先日初めての本読みを終えまして、今は本稽古が楽しみでならないです。僕自身ここ数年の間にすっかり翻訳劇に魅了され、その大きなきっかけを共にしていた演出・稲葉さんと再び作品作りに取り組めることを嬉しく思いますし、ずっと客席から見ていた先輩俳優の方々とご一緒すること、この戯曲に挑戦すること、自身の課題……この先様々な不安がありますが、沢山勉強させていただけたら……と思います。よろしくお願いいたします。

ジョン・スミス役 中村まこと コメント

『コンピュータの父』と呼ばれた天才数学者アラン ・チューリングの半生を描いています。数学というものは美しさの追求だと思っていましたが人が生きることの美しさの追求でもあるのですね。数学の点数が足りずに高校卒業が危うかった自分に毎日個人授業をしてくれたH先生に感謝をこめて演じます!

サラ・チューリング役 保坂知寿 コメント

33年前に観客として出会った本作。時を経て自分が向き合う機会を頂けるとは思ってもいませんでした。当時の私には難解。でも、一筋の“痛み ” のようなものを受け取った記憶があります。現在、“コンピューター”や “人工知能”という言葉は当たり前に耳にするし、私達も、自分らしく生きる、素直に生きることを模索し、多様性に対しても考え方が変わってきています。いまでこそアランの”生きにくさ”は私達の問題でもあります。改めて台本を手にして、自分達との距離の近さに驚き、稽古に入るのが楽しみになりました。

ミック・ロス役 堀部圭亮 コメント

最高にスリリングで緻密な作品を、素晴らしいキャストの方々と、何度も客席から見つめた憧れのシアタートラムの舞台で、二作品続けてご一緒させて頂く、稲葉賀恵さんの演出。この上ない感激と喜びで、逸る気持ちをとても抑えきれません。 空回りせぬよう冷静に、しかししっかりと心を沸らせ、この“大海原”に漕ぎだして行きたいと思います。

演出・稲葉賀恵 コメント

この作品を初めて頂いて読んだ時、チューリングが向き合う数々の数式が、レースのように折り重なって宇宙の天体を形作っているような印象を受けました。それはチューリングをめぐる登場人物が近づいては離れたり、止まっては通り過ぎたりする、銀河系のようでもあります。とても美しく繊細なガラスのような作品、自分の創造力と素晴らしいキャストの皆さんとのお稽古を経て、世にも美しい作品に仕上げたいと思います。どうぞご期待下さい。