iaku『流れんな』新ビジュアル、主宰・横山拓也のオフィシャルコメント到着!

2024.05.10

横山拓也が代表を務めるiakuが2013年から2014年にかけて4都市で上演した『流れんな』を10年ぶりに再演いたします。『モモンバのくくり罠』で第27回鶴屋南北戯曲賞を受賞し、外部公演への書き下ろしでも高い評価を得ている横山拓也が、iakuの初期話題作『流れんな』を全編広島弁に改稿しお届けいたします。
新ビジュアルとiaku主宰の横山拓也よりコメントが届きましたので掲載いたします。

 

【ごあいさつ】

2013年から2014年にかけて4都市で上演した『流れんな』を10年ぶりに再演します。初演では上田一軒さんが演出を担いましたが、今回は横山自身の演出です。再演では、貝漁で栄える港町の食堂に集う人物たちの濃度を上げようと、主に広島出身の俳優陣で固め、全編広島弁に改稿しました。『流れんな』は、海洋汚染や企業の隠蔽体質といった社会的な問題、また、出生前診断や生体肝移植における倫理的な問題など、現在においても解決をみない諸問題が多数描かれています。再演にあたり、作品に散りばめられた多岐に渡る要素を、現在の認識・感覚でとらえ直し、新たな視点で取り組みたいと思っています。iakuの作風を決定づけたとも言える本作を、今の自分がどう立ち上げるのか。稽古場で俳優たちと一緒に考察し、楽しみながら創作したい思います。ご来場、心よりお待ちしています。

横山拓也

 

【あらすじ(イントロダクション)】

小さな港町にある食堂とまりぎ。父が一人で切り盛りしている店をずっと手伝ってきた娘、長女の睦美と、結婚して家を出た妹、皐月は一回り歳が離れている。母親が店のトイレで倒れたのは睦美が中学1年生のとき。そのとき、1歳にも満たなかった皐月には母親の記憶が無い。母の死から26年という長い年月が経った今、とまりぎは災難の渦中にある。店でも使っている食材、地元で獲れた月日貝から貝毒が見つかった。時を同じくして父が倒れ、店は休業を余儀なくされた。流すことができない苦悩を抱えた人々、その家族、店、町、海…。それでも、ここで生きていく。
昨年上演した『モモンバのくくり罠』で第27回鶴屋南北戯曲賞を受賞し、外部公演への書き下ろしでも高い評価を受けている横山拓也が、iaku初期話題作『流れんな』を全編広島弁に改稿、2024年版として上演します。